10/10/25 見田村千晴 篠木晋也 Sing2You @四谷天窓 | 音楽偏遊

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小雨そぼ降る栄通り。めっきり増えた客引きを掻き分け、見田村千晴プレゼンツ「種も仕掛けもないけれど」@高田馬場・四谷天窓へ。

出演者だけでなく、音楽仲間やカップルも多く、ほぼ満席。目には見えないが和気あいあいと、天窓の中に一体感がある。こういう時のライブは、まず間違いなく盛り上がる。実際、楽しく、熱く、盛況のライブとなった。見田村千晴の魅力が人を引き付け、暖かい空気作り出したのだろう。

1番手のturuさんは間に合わなかったが、2番目の篠木晋也から。

ギター弾き語り。いい音、いい声、いいリズム。けっして声を張り上げる訳ではなく、客を煽るでもないが、体が反応する。ああ、こんな風に自分も歌えたらと思わずにいられない格好良さ。

見田村千晴が自分の企画に彼を呼ぶのもよく分かる。音楽観にも近いものがある。2人とも四谷天窓はよく出演しており、一緒になる機会もかなり多いとか。お互い、それぞれのライブを見にいくことも多いらしいとか。


続いて見田村千晴が呼んだThe Sing2YOU の男女2人組。名古屋をベースに活動しており、今回、見田村邸に雑魚寝で2泊し、ここ天窓と、翌26日に渋谷gee-geに出たようだ。26日は見田村千晴も渋谷7th floorでライブだ。

見田村千晴のMC時に「明日何時~?」「ならハシゴ可能だ。お客さん、明日は渋谷で両方見れるよ~」と客席のSing2YOUと掛け合い。turuさんも「俺もあるけど~」「時間かぶるから、3件ハシゴは無理だね、爆」とステージの上と下で会話が飛び交う、フランクな空気。楽しや。

Sing2YOUは、髪の毛をちょんまげにした色黒ラッパーのようなさとし君と、篠原ともえのようなかっ飛び方とファッションで前髪パッツンのくるみちゃんの2人。何かやってくれそうな雰囲気ありあり。

音楽は、彼の一五一会&ギターがいいグルーヴを出し、2人のボーカルの掛け合いやハーモニーが素晴らしい。どちらも歌唱力があり、彼の低音と彼女の高音の響きがいい。ポケットにいっぱい詰まった様々な音楽や面白い表現を、次々と取り出し楽しませてくれるテクニシャン。質の高いザッツ・エンターテイメント。すごくいい。

そしてトリで「種しか」イベント主催者、見田村千晴の登場。当然、会場も一段と熱気を帯びる。今日出た他のアーティストたちも客席にそろい、盛んに掛け声をあげる。自ずとテンション上がってきます。

ベース塩ちゃんとパーカッションのぶんぶんを従え、キリリとしたいつもの表情で格好良くギターをかき鳴らす。一部で黒木メイサ似といわれるだけあり(笑)、ビジュアルなのだが、それだけではない。トレードマークの帽子をきめて、ストレートな黒髪の間から覗く彼女の強い目線。そしてソウルを感じる通る声。何よりその潔い音楽がいい。

潔いって表現、分かりづらいだろうが、あの音楽に真っ正面からぶつかっている姿勢に惹き付けられる。

最初の「いつも何か足りない」から、高いテンション。そのまま「ラブソディ」でさらに盛り上がる。ギターのエッジがキレてる。「紙とペンがこの手にあれば」で少しほのぼの。

終盤に歌った「始まり」や「あしたバスに乗って」もすごく良かったが、本日一番は最後に歌った「LOVE SONG」。魂のこもったアカペラの歌い始めから、もうゾクゾクし、最後のサビのリフレインでは涙出そうになった。歌詞にではなく、全身全霊で歌い上げる彼女の姿にだ。

当然のように天窓の壁が震えるような大拍手。それが彼女たちがソデに退くと大アンコールに。「ちはるちゃーん」コールも巻き起こるなか、体いっぱい喜びを表しながら再登場し、もう1曲「エピローグ」。興奮のステージを終えた。

最初から最後まで、本当に楽しめたイベントに。また12月にも企んでるらしいから、彼女のブログなど要チェックだ。

一つ残念だったのは、パーカッションのぶんぶん、こと奥山佳奈ちゃんが暫く東京を離れてしまうこと。一度実家にもどってから、ニューヨークに旅立つという。「一回り大きくなって帰ってきます」と本人。彼女がカホンたたく姿は格好いいんだよなあ。また早く見たいものだ。

熱い一夜でしたよ。