10/9/29 西佐和子、Neo-Eco@代官山LOOP | 音楽偏遊

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

幾千の蛍光灯より、幾十のキャンドルの炎が、どれだけ心を揺らし、癒すことか。赤、青、緑、黄…。色彩が溶けだす大小多数の蝋燭の火が、ステージの唄い人を美しく照らしだす。次々現れる女性シンガーたちの表情は、ゆらぐ影で何割増しにもミステリアス。

そんな幻想を楽しみに、秋の月夜に代官山LOOPで6回目となったキャンドルライトライブ「ともしび」へ。

出演者も、雰囲気に合わせて、ライブハウスが選りすぐった5組の女性アーティストたち。Neo-Eco、西佐和子、蘭華、ヒナタカコ、can'noの順に素敵なステージを彩った。個人的には、真ん中の3組が良かったかな。今日は蘭華とヒナタカコを聞きにきたのだからその2人は当然としても、初めて聞いた残り3組では西佐和子が特に気に入った。

さて、1番手はNeo-Eco。女性ボーカルにギター2本♂、パーカッション♂、キーボード♀という構成。どこまでがNeo-Ecoなのかよく分からなかったが、北欧風の楽曲で、声も楽器のようにして環境音楽みたいな演奏。歌詞は多分全て英語だが、基本的に裏声で歌っており、発音より響き重視のようで、何を言ってるのか判らず。

何かを伝えようと気張ったところは無く、声も30%程度の出力。何も伝わってこないBGMみたいな感じ。この音楽は、ちょっと自己満足で止まってるんじゃないかな?似た傾向の音楽と言えばエンヤとかだろうが、エンヤはビンビンと心に響くぞ。低いレベルで満足してなければいいけど。

2番手は西佐和子。

最初の曲からボサノバのリズムで、歌詞はいまや古典のFly Me To The Moonのような内容。軽快なリズムにのった素敵なボーカル。本人は、地声が低くてハスキーと話してたが、そんな印象はない。何より楽曲がオシャレだ。

それはファッションについても。スラッとしたスタイルに、キラキラした黒と金の雰囲気のあるシャツに黒のワンピの重ね着、黒のファーのピアス?、フワッとしたロングヘアー。優香ととよた真帆を合わせたような顔立ち。

元々がグラフィックデザイナーとしてOL生活していたが、自分が本当にやりたいことは歌だ、とのインスピレーションに従いこの道に入ったという。音楽だけでなく、美的なセンスもあり、OLらしいオシャレの年季もあるのだろう。若い時から歌だけ、というオシャレに無頓着な歌手とは違う大人のセンスが魅力的だ。

セットリスト
1)Fly Into The Moon
2)そのままでいいよ
3)ルージュの伝言(カバー)
4)10年後きっと
5)まぼろし
6)インスピレーション

サポートにギター堂前君とパーカッション足立君を迎え、本人は椅子に座ってハンドマイクで。アレンジ担当のギターのエッジが効いている。この日が初めてのサポートというパーカッションも軽妙で、息の合ったノリの良さ。

ユーミン以外はオリジナル。歌詞がOLやってただけあって、恋愛の話もリアルで共感。丁寧に一つ一つの言葉を歌うから、よく伝わってくる。男に訴えてる「そのままでいいよ」では、音符外泊もつまみ食いも~音符なんて苦笑してしまうフレーズが楽しい。

一方で、これを大事に私は生きてきた、とラストに歌った「インスピレーション」は、彼女の芯の強さが垣間見える。トータルでは格好いいくせに、時に弱さを覗かせるという、魅力ある女性像。ファンも益々増えるだろうな。

さらに、彼女は経沢トレンダーズ香保子さんの女性起業家塾を卒業し、さらに今は塾生のメンター(相談役みたいなもの)をやっている。参加した理由は当然、彼女自身が起業へ準備しているからだ。稲盛和夫の経営論も学んでるようだし。

そうそう、Amebaを運営するサイバーエージェントは、このAmebaというブログサービスを立ち上げる随分前からアメーバ経営を標榜している。それは藤田社長らが、やはり起業当時から、稲盛和夫のアメーバ経営も学んでいたからだ。

勿論、業態が違うので発展形態はかなり違う。朝令朝改さえ辞さず、先達のないネットの海原でスピーディーにビジネス形態を柔軟に変えて最適化を模索し続ける。そんな企業体は前例がなく、自らアメーバと称することで内外に鮮明なイメージを伝えたい、そんな若き日の藤田君の願いが溢れていた。夢に向かって邁進するその姿は、毀誉ほうへんあるが輝いてるよね、西さん。

ライブの続き、蘭華から後の3人は次の日記で