10/8/31 いわさききょうこ 二足のサンダル@graffiti | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

仕事で7時過ぎに。出遅れたので最寄りの赤坂グラフィティへ。確か女性DUO「二足のサンダル」が出てたはずと、出演時間調べず行ったらもう演奏中。トップバッターだった。これは失礼。

すでに3曲歌った後だったけど調度、二足のサンダルの代表曲「温泉~Hot Springs」から聞けたのはラッキー。これが、聞くと楽しくなって、温泉行きたくなる面白いオススメ曲なのです。ぜひ、ライブで一緒に「オンセンビックリマーク」と歌いましょう(笑)

でも「私が歌ったら混浴を思い浮かべさせて淫靡(笑)」と、ライブ後に別のアーティスト(この日の出演者ではありません)と話してたのだけど、二足のサンダルはとっても健康的。彼女たちの歌には淫靡さの欠片もない。だから気楽に「オンセンビックリマーク」と一緒に歌えるわけで、逆に色気がないのがちと心配です。ねぇ、さとえちゃんと恵ちゃん(笑)

歌詞に登別温泉が出てくるのだが、最後に登場したいわさききょうこさんのMCも、登別温泉の話がメイン。一晩に登別温泉がこんなに登場するライブって(笑)

二足はこの後、「下駄箱のラブレター」と「Bye Bye @」を歌っておしまい。やはり3曲だけでは物足りないなあ。最後の@もそうだけど、2人の掛け合いにアイデアが沢山詰まっていて、楽しませてくれるのです。

この後、急激な睡魔に襲われる。前の日、あまり寝てなかった疲れが。申し訳ないが、2番手のモモと3番目のシミズリエは夢うつつで聞いてしまい、まともなコメントできないので恐縮です。

モモは、1年以上前に聞いたことがある。調度、動物をテーマにしたアルバム発売した頃とあって、猫や犬やふくろうやハイエナやコウモリが出てきてって、それは川村かおりのZOOか。ま、とにかく動物の歌オンパレードだった記憶がある。今日は1曲目こそ「猫」だったが、後は違った(と思う)。

特に、後半の3曲はすごく聞かせるいい歌だなあ、と夢の中で感心。曲名わからないけど、「あなたの手は神の手ではない♪」みたいな歌詞が、頭にこびりついた。

シミリエも前半夢うつつ。なんか調子悪そうな印象。人の事言えんが。ようやく5曲目?の「プラネタリウム」辺りから覚醒。戻ってきたよ。と思ったら、「道標」歌って終わり。ありゃ。うーん、コメントはまた次回に。

最後に出てきたのが、本日の個人的な大本命、いわさききょうこ。

もう、大好きなのだ。彼女の歌、雰囲気。優しくて、厳しくて、聡明で、楽しげで。彼女の音楽はいわゆるフォークで、しかも社会批判の言葉に満ちた吉田拓郎以前の反戦フォークに通じるのだけど、それに心と体が反応するということからも、僕の年齢が知れるな。

いわさききょうこは、女優の加藤あいによく似た儚げな美人。とても美声で優しい歌い方。それでいながら「人を永遠に信じても良いのですか」など、鋭い視点ではっとさせられる歌詞が随所にあり、はっとさせられる。でも怖くはない。

同じ歌を小林未郁が歌ったら、毒々しさが妖しい魅力になるところ。矢野絢子だと切迫感と迫力で圧倒されるかも。服部裕美子なら厭世的な空気に会場を包みそう。ところが、いわさききょうこは、優しく癒してくれるのだ。

みな好きなアーティストなのだが、はっきりした持ち味があって四者四様。という事は、それぞれ魅力のエッジがたっているということ。素晴らしい。なかなか、そうした個性を打ち出せず、パッとしないアーティスト多いよね。

いわさききょうこのセットリストはこちら。
1. 広がり逝く空
2. ボロボロ
3. アンダンテ
4. ヒカリ草
5. 幻夏
6. 霧の向こうへ
7. 命紡いで
en. いつもと同じ

ボロボロでは音符人は破壊と再生を繰り返す。どちらで終わるかは全て運音符 と言い放つ。全て運ビックリマーク破壊と再生!!この達観はすごい。ああそうだ、自分もボロボロの1人なんだ、と人生を顧みてしまう。

しかし一方で、アンダンテでは「がんばれ、負けるな」と優しくて力付けてくれる。弱き者に寄り添う、その優しい歌声に涙が出る。

ロックでもポップスでもなく、アッパーな曲はあまりなく、最後は「命繋いで」でしんみり終わりながら、満場の大拍手。そのまま、まだ彼女が舞台にいるうちからアンコールの手拍子。他のアーティストを聞きにきていた客も勿論多数いたけれど、みんな説得されてしまったねだ。彼女の投げ掛けに。

もっともっと聞きたいと思わされる、素敵なシンガーだ。来週は、登別で演劇と音楽を融合したような舞台があり、1週間ほど登別に滞在するという。前回は浸かれなかったという温泉、今度こそご堪能下さい(笑)