目的は初田悦子さん。あまり、東京でライブしないから貴重な機会。逃せません。しかし、今夜は彼女だけでなく、出演者5人全員が見事なエンターテイナーぶりを発揮。ラストのセッションでは会場全体がヒートアップし、かなりの興奮で幕を閉じた。よかったよー。
場所は、おとといのBAR330by笹生実久に続いて、またまた東新宿。ライブ前にはこちらも連チャンで、SACT隣のすき家で腹ごしらえして、いざ参戦。ライブ後には日本―オランダ戦もあるしねー。
ステージは、一昨夜と同じく客席のど真ん中に。今月SACTはセンターステージ月間なのだって。キーボードに主催の鎌田雅人、ギターの天使?の2人が、小寺を除きアーティストを迎えて演奏するスタイル。2人がセッティングできたところで、1番手の浜谷真理子が登場だ。
見たことある気がする。多分、NHKだろう。 『BSななみDEどーも!』では2002年から9年間もレギュラーを努め続ける不動の(笑)歌のお姉さんだ。BSどーも君関連曲は彼女がほとんど作詞・作曲してるという。主演映画もあるらしい。
この日もボーカルだけかと思いきや、プリンの勝手CM曲(30秒編)では、おもむろにギターをかき鳴らしロック。最後の曲では一転、キーボードを鎌田雅人から奪っての弾き語り。才女だね。
しかも、きれいなお姉さん。こども番組やる条件って実は色々あって、歌唱力あってよく通る声を持っており、親しみやすく、コミュニケーション能力が高くて、清潔感があることなどハードル高いと思う。子供の声に歌声がかき消されるようじゃ務まらないし、子供や視聴者に嫌われたらやはり駄目だよね。
浜谷真理子は、そんな条件をばっちり満たしているんだな。だからこそ9年間レギュラー続いているのでしょう。ほんと適任だと思う。総合力高いよ、彼女は。
歌ったのは、
1)幸せの雨
2)青のビニール傘
3)もしも
4)パステルの「なめらかプリン」
5)キャトルの「うふプリン」
6)約束の場所
Cession)恋の罠しかけましょう(カバー) with 石井里佳
最初の3曲は、雨宿りがきっかけで付き合い始めた同僚の男女のストーリー仕立て。曲の前に語りが入る。男女を演じ分けるなど、表現者として達者だなあと感心。その後の、勝手にお気に入りスイーツのCM曲を作ってしまうコーナーではプリン2題。うまい!約束の場所もしっとりと味わい深く歌い上げた。
最後は、次の出演者と1曲セッションするというルール。ファンク・ザ・ピーナッツを浜谷真理子と石井里佳が歌うという構図が面白い。どちらも割とまじめキャラだが、はじけてる。コーラスも共に達者。なかなか聞かせるよ。
バトンを受け継いだ石井里佳。すらっとしていて、ロングヘアーで、鼻筋が通っている美少女系。それもそのはず。後から調べたところ、10年前にプリプリ奥谷香プロデュースにより「Peachy」としてデビュー。その後、ハロプロに加入。藤本美貴や里田まいと若かりし頃、共に活動していたらしい。7年ほど前に独立し、鎌田雅人から曲の提供を受け、音楽活動を続けてきたとのこと。現在、いろいろなCMにも出演中だ。
歌は中低音がよく出ていて、なかなか力強い。blueblue愛ちゃんやepocholしおりちゃんに通じる印象。好きだなあ。
1)僕の道
2)Rainbow Rain
3)赤い月
4)あなたがいつも心の底から楽しめることを願っています。
5)hibiki
C)待つわ(カバー)with 金子麻美
4)の長いタイトルの曲は、広島のお母さんからの手紙にあった言葉とか。遠く離れた親子の心の通い合う姿が垣間見えてくる温かい曲です。来月から、あるCMに使われることが決まったとか。
「7年間がんばってきて良かった。お母さんも少しは安心するかな」と率直な言葉。こういう生真面目で優しいところが、逆に芸能界には似合わなかったのかもね。なんか応援したくなる。プロフを見ると僕と誕生日近くて同じ星座、血液型も同じ。理解できる気がするのはそのせいか?
そして、ぷにぷに癒やし系の金子麻美を呼び込み、あみん「待つわ」。2人とも乙女ちっくでかわいらしい。
ふと思う。音楽がハードでも、ソフトでも上手くこなす石井里佳って、器用貧乏なのかもしれない。何でもできるが、個性に乏しいと言われてしまう。
良い人なのだけど、って褒め言葉にならないタイプかな。だから、本人は人生、苦渋も多そう。はたからは羨ましがられるポジションにいるけれど。
3番手の金子麻美は、秋田から歌手になるため2006年に上京してきた頑張り屋。深夜のオーディション番組「歌スタ」で、鎌田雅人に「天性の声質」「オーラがある」と評価された。
それ以来、鎌田門下生として歌唱力を磨き、ライブなど下積み中。まだ音源も出してないけど、現時点で、なかなかのものだよ。
鎌田さんが彼女の何を評価したかステージを見ていて、よく分かる。一言でいうと、金子麻美はアイドルなんだ。その声はまるで若かりしキャンディーズや桜田淳子にも通じる。歌も単に上手いだけでなく、独自の色がある。天使のような笑顔が可愛いだけでなく、目が魅惑的。見つめられるとドギマギしそうな色気を秘める。でも、全体ではプニプニした癒し系。どう、アイドルでしょう。
1)雨の魔法
2)まぼろし路
3)大好きだけど、ちょっと嫌い
4)Love Letter
5)愛されルール
C)笑わなくちゃ with 小寺可南子
詞は本人、曲を鎌田という作品が中心だが、その曲がかつてのアイドルのレコード曲のよう。それが似合う。鎌田さん、よく麻美ちゃんの魅力を分かってる。さすが。
さあ、そして本日の斬り込み隊長の出番だ。ちっちゃいけど、最も元気で賑やか、小寺可南子。かっ飛んでます。しかし、あの小さい体でよくそれだけ出るなあ、と驚く声量やピッチの安定感。強い喉、難しい曲も軽々こなす歌唱力。
失礼だが、小さいヤンキーみたいな外観から想像できないアーティスト性がある。料理好きで、意外に家庭的。純情で涙もろい。賑やかしは、照れ隠しなのかな。
1)やらしてベイビー
2)ルパンIII
3)All of Me
4)セブン
5)あわもり
C)A Whole New World with 初田悦子
オリジナル曲は少なくて、ルパンやジャズの名曲などを盛り込んでいるのだが、すげぇウメー

彼女も歌スタで鎌田雅人らに見初められて、大阪から出てきた口。声優などもやりながら、ゲームのテーマ曲歌ったり、他のアーティストの作品にコーラスで参加したり。頑張って食べていってる。
感情がストレートに出るタイプ。邪心ないから、みなに愛されてる。この日の最後に5人がそろうセッションタイムでは、ある意味彼女は主役だった。なんせ、この日が彼女の誕生日。おめでとう

先に書いてしまうと、他の4人からは、この夜限定のオリジナルソングが彼女に贈られた。一人一人が可奈子ちゃんへの思いを詞にして、代わる代わる歌う。それがまた、四者四様でいずれも上手いんだ。このBirthday Bluesだけでも、今夜聞きに来た価値があった。
さて、少し時間戻して可奈子と初田悦子のセッションは、ディズニー映画「アラジン」の主題歌。男女の掛け合いを、初田さんが男性役、可奈子ちゃんが姫役でうたったのだが秀逸。2人とも歌詞が英語だろうが関係なく、表現力があるから飽きさせない。下手がこの歌をやると、ほんと聞けたもんじゃないのだよ。はい、自戒を込めて(笑)
そして、トリに期待の初田悦子。麻美ちゃんや可奈子ちゃんと同じく、「歌スタ」出身。大きく違うのは、彼女は小さい女の子を育ててるママさんアーティストなのだ。彼女を評価した鎌田雅人と作り上げたデビュー曲も、ママから娘への手紙を歌にしたもの。
彼女の一連の家族歌は、それは素敵でハートフルな作品ばかり。赤ちゃんを産んだ若い母親らには人気のアーティストとなったが、彼女の魅力はそこに留まらないのだ。感動的な歌唱力とスケール感。それは今日の他の4人の出演者も凌ぐ気がする。
1)星のピカリ☆
2)君のママより(デビュー曲)
3)Rainy Blue
4)僕らのラララ(新曲)
(浜谷真理子がギターサポート)
5)虹の星 (他の4人がコーラス)
1)2)が家族のうた。そして、今夜、僕はこの曲を聞きに来たといっても過言でないのが3)の「Rainy Blue」。梅雨時だから絶対歌うと確信していたが、やはり歌ってくれてハッピー。音源化されてないので、ライブでないと聞けないのだ。


そして4)の新曲では、客席を全て巻き込んで「ららら」の大合唱に。真理子さんと鎌田さんがまずコーラスをリフレインしながら、初田さんが関西人らしいノリとトークでお客さんを歌わせていく。これも彼女の定番曲になりそうだ。
最後は出演者全員呼び、一人一人が違う色のストールを首に巻いて、ステージ中央で円陣に。ゴレンジャーの出陣式か(笑)そのまま、初田さんが虹の星を熱唱。4人がコーラスだ。あのスピードのPVみたいだったよ。
そして、5人のセッションへ。まず前述したが、Birthday Blueを可奈子ちゃんに。円陣中央の椅子に座らせた彼女に、4人が代わる代わる歌を投げ掛けていく。


ラストは、感動パワー溜め込んだ小寺可奈子の掛け声を先頭に、5人でフィンガー5メドレー。「恋のダイヤル6700」から「学園天国」へ。リンリンリリンから、ヘーイヘイヘイヘェイへィへと5人もノリノリ。会場との掛け合いも盛り上がり、ライブの一体感は最高潮に。汗が飛び散り、みなが手を突き上げ、破顔満載。いやあ、楽しいライブだったよ。
みな才能溢れてる。中でもやはり、初田悦子はママ路線以外が実はすごい。また聞きに行こう。