ということで、野菜を堪能して、表参道交差点を渡れば、もうフラボモード。今日はどんな音楽を聴けるのか楽しみにワタナベエンターテインメントビルの地下、同社直営ライブハウス「FAB omotesando」へ、わくわくしながら階段を降りる。
お決まりのホスト挨拶で幕開け。相変わらずの爆笑、玉城ちはる節が炸裂だが、フラボホストのパートナーが今回、清家千晶から松本英子に変わったことで、つっこみ一辺倒だったちはるちゃんに対し、貫禄の松本英子の切り返しがあり面白きかな。メジャーデビューしてからもう11年になる松本英子は、さすが。様々な苦悩や絶頂期から不調期まで体験したうえで、結婚し、出産し、今は子育て中。人間としての幅広さを感じるね。
しかし今宵は2人だけじゃない。ゲストの2組がそれぞれ、もう最高の演奏で十二分に楽しませてくれました。
トップバッターは大石由梨香嬢(ちはるちゃんが嬢づけしていたので)。初めて聞いたけど、今宵はジャジーなアレンジで、大人の雰囲気たっぷり。ご本人が歌いながら叩く鍵盤の音が拍を絶妙に外したり、ジャズならではの不協和音を交えたり、即興的なアレンジがありで、とてもおしゃれ。ドラムとウッドベースの渋いリズム隊との息もぴったり。特にベースがジャズの人なのか、じわじわと迫ってくるジャズならではの低音が格好いいねえ。
彼女の声は、思っていたよりも低いが、強さがあってよく通る。彼女の表情は物うげでクールなのだが、その笑みが優しく、楽しそう。黒いスカートやタイツ、ゴールドのヒールなど、大人の色香たっぷりのおしゃれさ。そして、それをよーく意識した表情や仕草。ちはるちゃんから「セクシーで抱いてほしくなった」と評されたのもまさに同感。
本人はMCでフラワーボイスという華やかな花が集まるイベントで、私のような黒っぽいので良いのだろうかと思ったが、「ブラック・ダリア」ということでよろしく、と話されていたが、このブラック・ダリアは彼女を表すのにぴったりの比喩な美形。曲の最後の音を切る瞬間、横に伸ばした手をくるっと回す仕草がなまめかしい。そして何よりボーカルと音楽が格好良くて、いやあ、男なら惚れますね。
1)黒猫とムーンライト
2)微熱
3)Moon Water
4)For You(ストップラッパベビーレ、みたいなフレーズのリピートがおしゃれ)
5)灼熱のブラックチェリー
6)七色
1)2)がジャジーに始まり、3)がしっとりと。4)から明るくアップテンポになり、5)6)はさらに情熱的。冒頭から上質な演奏にもうにこにこしてしまったが、最後の2曲に完全にはまり、これはCD即ゲット&4月25日ワンマンも行かねばと思いました。
続いて登場の千宝美(ちほみ)さんも最高のパフォーマンス。楽しませて頂きました。とにかく、彼女の魅力はその笑顔。本当に楽しげに、そしてお客さんと一緒に楽しもうという精神満杯でやっているのが、よく分かる。話術も面白いし。思わず、自分も笑顔になってしまう。いやー、由梨香さんから嬉しくてニコニコが止まりません。
愛媛出身。東京上京から12年目、メジャーデビューから今年で10年目。パワフルでよく通る素晴らしい声で、表情たっぷりに歌う。こんな素晴らしいアーティストのこと、今まで知らなかった自分を恥じる。いいねえ。楽曲は大人っぽい。そして、とても身近なテーマを大切に歌にしている。
誰かに似ているなあ、とずっと考えていて、平松愛里とか何人かの名前が浮かんでは消しつつ、最後にたどりついたのが初田悦子だ。お二人とも関西っぽいノリで、笑顔を絶やさず、パワフルな声としっかりした歌唱力があり、そしてテーマに「ホーム」があるところ、似すぎてるね。顔や表情も。
1)You're so beautiful
2)夢の国
3)Little Home
4)リズム
5)Lost Home
6)? (3拍子で、お客さんがウンチャッチャッと手拍子で盛り上がった)
7)また会う日まで
またまた、どの曲も良いのですよ。3)や5)のホームのとらえ方が初田悦子にも通じると思ったのだが、2)の夢の国は希望があって、力づけられる名曲。1、2、3、4とリズムをとってとうたう4)も、楽しい。一番気持ちが盛り上がったのは、やはり最後にうたった7)また会う日まで、かな。
千宝美さんも、即CDゲット。いやいや、本日のレベル高いですよ。これだけのアーティストとまだ出会っていなかった自分の、音楽嗜好の偏りは反省ものです。お二人とも今後、末永く聞きに行かせて頂きます。
さて、ホスト二人はまた次の稿で。