10/3/31 いいくぼさおり(追記) @赤坂graffiti | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

大好きなアーティストが2組そろって登場するという、個人的にはこの上なく幸せなライブ。それが2夜続くなんて。しかも、仕事の都合がつくとは!!自分でびっくり。このラッキーはきっとご褒美だな。報われるに相応しいこと、した記憶ないけど(笑)

今夜は何より、いいくぼさおりが出色のパフォーマンスだった。いや、いつも全力少年(!)なんだが、この日の声の伸びやかで、張りのあることったらアップグッド!彼女の歌の世界に包まれて、まさに至福のひととき。

それは、僕だけの感想ではなくて、終演後に物販を訪れたお客さんがみな口々にそう話してた。最後の曲が終わったら、誰もがアンコールの拍手を打っていた。本当にもっともっと絶好調の彼女の歌を聞いていたい、と皆思ったのだろう。予期せぬ最高のステージにふと出逢える、だからライブは止められないよね。

ところが、ご本人はピンときてなかった様子。花粉症で、薬で抑えながらのステージだったから、声が掠れてないか心配してたらしい。アンコールも想定してなかったようで、舞台に戻ってきて、準備してませんでしたので、先程の冬の曲を今シーズンはもう弾けなくなるのでと再度やります、と演奏。でも、これも良かった。

セットリスト
1)足音
2)眠れぬ夜のシンフォニー
3)ベランダでボー
4)手のひらの雪
5)叫び
6)CHU
7)かすみ草
en.手のひらの雪

今日一番良かったのは、…いやー、全部だね。こんなことは珍しいのだけど、本当に全曲に見所、聞き所満載でやられました。圧巻。

あまりに声が出て調子良かったためか、眠れぬ夜のシンフォニーでは、声を伸ばし過ぎて次の小節に移るのが度々遅れるほど。ライブならではの臨場感が高まる。声の強弱も絶妙で、ぐいぐい引き込まれていく。この曲のドラマチックな展開が見事に心をワクワクさせてくれた。

続く「ベランダでボー」では、いいくぼワールド全開。でも、この日は、この曲であっても笑いより、その熱唱に耳がいく。今考えると、笑いを取る余裕が彼女になかったのかな。分からないが。でも何度聞いても、この語呂遊びは絶妙!思わずニンマリしちまうよ。

MCでは、「砂の足跡」だったかな、という詩を朗読。これはアメリカ人の14歳の女の子が書いた作品。死の間際、自分の人生の様々な場面がうかぶが、気付くと常に自分の足跡の横に、神様の足跡があった。神は常に自分の横を同じペースで歩いてくれていた事が分かり、感動するという内容。

ところが、人生で一番辛かった時や潰れそうになった時の場面で、足跡が1つしかない。「なぜ苦しい時に共に歩いてくれなかったの」と神に聞くと、「その時は僕が君を抱き抱えて歩いていたのだよ」と。

いいくぼは、この話に感動し、自分も「歌しかないけど」辛い人達がいるなら、抱き上げてあげられる存在になりたい、そう語った姿はとても誠実で、ますます応援したいと思ったよ。

そして歌ったのが「叫び」。歌詞が、その詞の世界とユニゾンして、幸せな感動を引き起こしてくれた。

しかし、今日一番良かった曲は、この「叫び」ではなく、その次に歌った「CHU」だったのだ。ここまでで十分にハッピーにしてくれたのに、さらにその上を行く感動があった。

いつも、もっと軽やかに歌うこの曲を、冒頭をためて、ためて、ためて、そして途中から一気に堤防を決壊させたように音の奔流が疾走しはじめ、無茶苦茶ドラマティックに盛り上げる。凄い力の入り方。キスをできなかった「君」が、迫ってくる。

嬉しいニコニコ2月下旬に書いたけど、この曲は千曲以上の中から選ばれた今年のおいらのテーマソング。さおりちゃんが、おいらのために歌ってくれてるようで(錯覚!w)すごく感動してしまった。ありがとニコニコドキドキラブラブ

ドーンと盛り上がったところで、最後は彼女自身のテーマソングともいえそうな「カスミソウ」。この曲の印象が、一番素のいいくぼさおりに近い気がする。真面目で、感受性が強くて、ちょっと内向的。でもまっすぐで、ひたむきで、いつか…と希望を胸に抱いていて。そんな女の子の揺れが、揺るがない演奏とボーカルで見事に伝わってくる。
やはり、前から言ってますが、いいくぼが今年注目のアーティストNo1かも。楽しくて、嬉しくて、とってもハッピーにしてくれるよ。


ブルブル詳細は別に書きます(遅くなり申し訳ない)。