Blue Blue & 秘めて放たじ | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

昨夜のブルブルのワンマン、行けなかったあ。最後30分だけでもと思っていたけど仕事抜け出せず、20:45頃に断念。残念ダウン

ある程度予想された事態だったから、先日、天窓スイッチのツーマンで買っておいたチケットは、見に行けるというあるアーティストさんに譲っておいた。彼女が何かブルブルから感じたものがあれば、チケットも全く無駄ではない。

そのアーティストさんの話によると、やはりライブ良かったようですね。ボーカル愛ちゃんの高音が力強い、もっとそこを活かした曲を聞きたかったとのこと。確かに「キキトゲタイ」などキーが低めの曲が多いかな。まあ、でも「限界ライン」などの曲で中音域からグーっともっていく疾走感はブルブルの持ち味。爽快な醍醐味があると思う。次のライブはいつだったかな。今度はやはり聞きにいかねば。

また、キーボードをドラムに向けて弾き語る、客席向かないセッティングはどうか、とは話してたが(笑)またあのパターンだったのですね。


さて、そんなんでブルブルの新アルバム「夜に咲ク花」をまだ入手できていない。なので、代わりという訳ではないが、今聞き込んでいるのがヒナタカコのアルバム「潤-jun-」と「花筺-ハナガタミ-」。先日のライブで彼女の歌が気に入り即購入。中でも、両方のアルバムに別バージョンで収録されている代表曲「秘めて放たじ」がこのところ脳内でリフレインしている。

しかし、ヒナタカコは難しい。神の雫風にワインに例えるならば、難解なボルドーのカベルネソーヴィニヨン。ビンテージは、やや難しかった年で、それを人間の力で最高の作品に作り上げた感じ。飲む側にも美味しく飲むための準備が求められる。そんな楽曲が次々とアルバムから畳み掛けてくる。

例えば「秘めて放たじ」。
音符思い出にされる位ならば、ずっと終わりのない
音符恋人じゃない別の立場で
音符ずっと側にいてあげる
音符たかが恋などいつか終わるの
音符この恋心、秘めて放たじ
音符失うより守りたい

歌詞を抜粋してつなぐと、こんな感じ。

どう、この歌詞の重さ。「たかが恋など」というくだりに恋愛を超越した想いの深さが伝わってくる。これを情念たっぷりに、低音を唸らせながら歌い上げる。韓の恨、島唄や演歌のコブシに通じるドシッとした歌唱。

軽いノリを期待して彼女の歌を聞いたら、「つまらない」という拒否反応を抱くかも。重苦しい、と感じる人も多いかもしれない。でも、味わえれば、それは深い世界が堪能できる。

彼女を聞いて再認識したのは、僕はフルボディの赤ワインのようなアーティストが好きなんだという事。例えば、清家千晶や神山みさ、渋谷めぐみ、矢野絢子、epochol、倉沢桃子など、僕がブログでよく取り上げている好きなアーティスト達は、骨太でビロードのような濃赤色な彩りを描ける歌手たちだ。

爽やかなリースリングの白ワインや、繊細なブルゴーニュもいいけど、ボルドーにどっぷり浸かりたいたちなのだ。