10月20日 Tahnya 神山みさ TIA @StarPine'sCafe | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

圧倒的に良かったiora以外に、今宵、実は一番目立ったのがTahnya の2人組。

出演者のステージの合間に3曲程度ずつ、サブステージ(客席の中央)で計3回歌って、徐々に自分たちの空気を浸透させた。


女性ヴォーカルと男性ギター。ioraと似た構成だが、全く違ったリラックスしたたおやかなバンドだ。

最初はおとなし過ぎる感もあったが、じわじわその心地よさと、じわりと響く芯の強い音楽が心に染み込んできた。

最後の3回目のステージでは、強い印象さえ残した。ヴォーカルのnaoさんが大きく腕を広げ、突き上げ、胸を抱きながら優しく歌うと、その手先から空間に優しさが広がるよう。客席に微笑みが咲く。


HPではこんな風に紹介されている。

「優しくつつみこむアコースティックサウンドと、叙情的な詞を歌う深みのある声。

二人が描くのは日常からは1歩離れた独自の世界。

なぜか心にそっと寄り添うようで心地よい。 そんな音楽」


実はギターの平田崇がiora caravanのメンバーでもあり、ioraとライブツアーに同行することも多いという

妹的ユニットだ。音楽は違うけど、肩肘張らずリラックスした空気感が似ていて、ioraの前に彼女らが歌うことで場が調度良くほぐれる。tahnya&ioraが今夜の空気を作った感じだった。



さて、3番手のラス前に登場した神山みさが ギター持って一人で登場。ちょっと寂しい。


初めてのライブハウスにやや戸惑うとMCで語っていたが、何か歯車がかみ合っていない感が確かに最後まであった。オリオン座流星群が前夜から見ごろになっていたことをとらえて、1曲目「流星」、2曲目「月の光」という選曲。ただ、いつものようにグッと客席をつかめていないような。ライブハウスの天井が高くて、こう歌が上に抜けていった感じ。3曲目「バースデイ」はもっと盛り上がりたかった。


この日のお客さんの雰囲気が違うのか。ioraやtahnyaでは一体で盛り上がったのだが、他のどの出演者でも反応イマイチ。これだからライブは不思議だ。


さて、みさちゃんの4曲目以降のリストは以下の通り

4)光(新曲)

5)カタチのないもの

6)ただ前へ進め


この日、一番良いと感じたのは、演奏もややたどたどしくて、歌詞もまだ完全に覚えれていない様子だった新曲の「光」。逆に定番で最近の代表曲ともいえる「カタチのないもの」「ただ前へ進め」には違和感が。力を込めて歌っていたけど、ストレートに心がこもってないような。いつもはこの2曲で聞く人の心にストレートに伝わってきて感動するのだが。


今、彼女の何かが変わりつつある「転調」の季節を迎えているのかもしれない。

それを示唆する言葉も聞かれる。デシジョンも今年いっぱいかも、とか、11月はライブ少なくして作曲に力入れたいとか。心の中に芽生えた新しい何か、それが新曲に現れて、古い曲より心に伝わってきたのかな。
今日のライブの中から考えると、「バースデイ」「光」と続いた2曲が作るベクトルの延長線上にその何かがあるような気がする。


「10周年忘れていた。来年初にもやるか」と話したが、そのライブは、新しい何かを楽曲のカタチにして表出できるようになってから、ぜひやって欲しいな。



順番が遡ってますが、神山みさの前に登場したのが「TIA 」。

横浜の歌姫とHPで。男女のダンサー二人を従え、ダンスミュージック。音はカラオケ。

「みんな盛り上がりましょう!」と声をかけるが、どうもカラオケにパンチがなくて盛り上がらない。

ダンサーもすごく激しく踊るのだけど、なんか客席とどんどん乖離していく感じが。


曲はどこかでいつもかかっているようなものばかりで、新味なし。

声も、実力はあるのだろうけど、それを生かすような曲でもない。

「格好悪くてもいい、自分生きよう」「君らしく自分を生きていこう」といった歌詞があったが、

TIAの場合は格好つけているけど、自分らしさが出ていないため、個性が感じられなかった。

地元人間としては「横浜の歌姫」という看板は返還して欲しいなあ。