8月23日 上野まな ナオリュウ @四谷天窓switch | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

恵比寿でポカっと時間が空いたので、ふらっと四谷天窓switchへ


出演者のこと全く知らないで聞くライブも、新たな驚きがあって一興。

確かにおもしろい発見ありました。


この日の企画は「M’s Selection」

ラストに出演した上野まなちゃん(イニシャルM)とスイッチのブッキング担当サン(M)が選んだ企画と知ったのは、ライブも最後の方、まなちゃんのMCででした。


おもしろい発見とは、このまなちゃんのこと。

いるんだね、アイドル体質の子って。

彼女は、インディーズでストリートとかもやってるアーティストのようだけど、

本質「アイドル」だわ。

(知っていたら来なかったかも)


まず優しい笑顔がいい。思わず見ていて微笑んでしまう。

声もかわいい。歌もアイドルにしてはうまい。

それとお客さんとの掛け合い。

注目されていることをとても楽しんでいて、よく自覚している。

「元気ですかー、はい」とマイクをお客さんに向けて、反応楽しんだり。


ファンも彼女のちょっとしたトチリや照れ隠しを暖かーく見守ってる。

本人も分かっていて、「心臓ドキドキです」とあややばりに手でハートマーク作って

胸の前でどきどきさせたり。顔も、スリムなスタイルもいいし。


さすが、上野樹里のお姉さん。(3人姉妹の真ん中。末っ子が樹里)

口角の上がり具合とか、注目が集まるのが嬉しい性格(悪い意味ではないよ)、話し方、いろいろな面が一緒に育っただけあってよく似てる。


男はこういう子を応援したくなるんだな。

しっかり親衛隊なのか、サポートメンバーなのか、彼女の活動を応援している人多かった。本日30-40人いたお客さんの8割ぐらいが彼女のファンだったかな。

アキバのストリートでファンを開拓してきた戦略は正しいね。


セットリストは、たくさんの人がメモってたので、ググれば誰かが書いていると思われるので略。天窓スイッチということで、スローバラード系中心の選曲でした。

そのうち2曲は、初のピアノ弾き語り。

「すごーく緊張したー」とかのコメント、正直かわいい。

偶然聞けたけど、一見の価値ありだ。



ちなみに他の出演は、

トップがジャズカルテットのSART。

2番手がナオリュウさん。


SARTは、洗足学園ジャズ専攻を今春卒業したメンバーらで構成している4人組。ギタリストの琢磨くんが作曲も担当、他にベース、ドラム、サックスの構成。優しいクールジャズ風。もっとアタックして、絡み合ったらおもしろいのに。惜しいのは譜面台が邪魔で、ドラムの顔や動き、ギタリストの左手などほとんど見えなかった。譜面台なしでぜひ演奏してもらいたいなあ。ジャズって、ライブな臨場感を客席と共有してこそ盛り上がれるのに、譜面台が客席とステージの間の壁になっていて残念。特に最後の曲は、サックスとドラムがすごくアタックしていたけど、ギターは割りとクールで(まあそういう風に彼が作曲した曲なのですが)、インプロビ的な楽しさがいま一つだった。


ちなみにこのSARTの面々が、上野まなのレギュラーバックバンドの中心メンバーということで、本日の「M’s Selection」登場となったらしい。


2番手のナオリュウさんも、なかなかすごし。

何がというと、ステージ上で彼女が作り出す音のマジック!

ボーカル本人が高水準でギターとフルートをこなすだけでなく、

裸足の足で7つのペダルがあるループマシン(プラス別のエフェクター2台)を自在に使いこなす。

サポート君もフルートとピアニカを使い分け、さらにメトロノームにマイクを向けていて、カチコチチーンという音まで演奏に取り込んでしまう。


そして、さらにさらにといった感じで、ループマシーンでまずギターのリズムをループし、と思うと、にわかに傍らのフルートを手に取り、吹き始め、ギターの音声にかぶせ、さらにその上に一人コーラス状態で声を三つ重ねるなど

滑らかな動きで分厚い音を紡ぎあげる。すごい!


この前、別のライブで「with us」というバンド(?)もループステーション使っていたけど、それはサポートメンバー不在を補う、その場限りの遊びのような感じ。(そういえばこのライブまだ書いてないなあ)

ナオリュウさんはループを見事に使いこなし、完成したとてつもなく楽しいパフォーマンスに仕上げていた。


しかし、特筆すべきは、実はループではないのかもしれない。

特に優れていたのは歌の実力。ジャズ調から声楽調まで様々な声の出し方を使いこなし、3オクターブ以上の音域を安定感抜群に飛び交い、それでいながら曲はまったりなボサノバ風。ちょっとまったりし過ぎ感もあるけど見事。


特に4曲目(曲名紹介はなかったけど「祈り」かな)が、本日のライブの中でもっとも秀逸だった。彼女のこの曲はもう一度聞きたい。

一聴の価値ありです。