ブログ夏休み中、他にもいくつかライブ聞いたのですが、
記憶の新しい神山みさチャン企画ライブを先に紹介。
ということで神山みさ3連発の最後です。
この日は、みさちゃんが月2回程度、神田デシジョンカフェを会場に
一日店長(?)になって食事や音楽でお客さんをもてなす「ハッピーカフェ」による初の企画ライブ。(本当はもっとくだけたライブ風でないもの考えてたようですが)
7時ごろに到着すると、とにかくすごい数のお客さん。
通常は多くて10人ぐらいのところ、50人を超す客で一階も2階もいっぱい。
ちなみに今宵みさちゃんが用意した食事メニューは「ドライカレー」。
なかなかの美味!7時半の開演(実際はさらに15分位おしたかな)までに
かなりの数のお客さんが注文して食べていました。
オープニングアクトは、この日が初ライブのhannahちゃん。
初めてにしては楽しげに、そして初々しくピアノ弾き語りを3曲。
自己紹介の「牧師の娘です」、「だから私の曲には『神様』がたくさん出てきます、あ、でてこないか」とたどたどしくMC。
歌ったのは自作の3曲:「暖かな光」「ありがとう」「幸せの島」
歌唱力も、ピアノ伴奏も、ステージングもすべてこれから。
頑張って育てよう!
何より「第一歩」を踏み出すことが大切。
そしてそのチャンスも、踏み出す勇気もなかなかつかめないもの。
多分、姉御格のみさちゃんが今宵用意してあげたんだろうなあと思う。
2番手はゴスペルシンガーの小泉恵理子。
この日来た客の半分以上を彼女が招いた様子で、
開演前から客席を回って大忙し。そのためか、かなりテンション高めに。
そのテンションのまま、ライブに突入したためか、
初めて歌う場所だったからか、それともいつもの教会と違うカフェの雰囲気に飲まれたか、最初の2曲は気負い気味。
どの程度の音量がいいのか、箱に合った音色はどんな感じか、本日のお客さんがのりやすい流れをどう作るか。
初めての場所は色々しっくりこないもの。
百戦錬磨の歌手は、すぐに微調整するのが分かるが、こうしたライブは慣れてない彼女には少々難しいか。
それでも2曲目の後のMCから、小泉ワールドに。
緊張のためか、ハイテンションのためか、それともそれが天然なのか、
自己紹介では「自分は小学校のころから、休み時間でも授業中でも歌を歌っていたそうです」。なぜ伝聞?と不思議な言い回し。
MCでは彼女が高校時代、アメリカに留学。人見知りで人前に出ることが恥ずかしく、ましてや人前で歌うなんてできないと思っていたこと。
それが、先生にぜひ歌ったらいいと繰り返し勧められ、(事情は分からないが)大切な同級生の同じ日本人留学生の友達のためにと、全校生徒の前で歌ったとのことなどを、感情ぶつけるように高いテンションで話す。
オープニングの曲などで英語の歌詞の発音が良かったこと、ゴスペルシンガーやっていることなどの理由がなんとなく分かってきた。
彼女が偉いのは、全校生徒の前で歌ったということ。日本の学校の学祭で歌うのとは訳が違う。回り全部外国人といった環境で、ステージに上がるまでの心細さといったら。僕も中学・高校を米国の現地校で過ごしたから分かる。あの環境で目立つことはなかなかできないものだ。僕の場合はチャペルクワイアーなどでステージに上がったこともあったけど、あれはワンオブゼム。仲間にまぎれられるから一人きりではない。でも、ピアノの演奏を一人でしなければならなかった時は緊張したよなあ。
自分の話は置いておいて、小泉恵理子の3曲目。
MCで出た友人のために、という流れからの選曲は
「Dear Friend」 多分Stacie Orr
全部英語だったけど歌詞の内容は、あなたが苦しんでいても、無口でいても、私は何もできない。それでも忘れないで。あなたは私の大切な存在。あなたのために祈っている――といった感じでしょうか。
さびの"you are
アメリカの高校で、外国人に囲まれて一人、心細いなかで同じ留学生仲間のともだちがどれだけ支えになり、励ましあってきたか。
歌詞の内容は自分が、ともだちを思う内容だけど、それはそのまま逆転しうる。友達が自分を同じように思っていてくれた、そう実感できることがあれば、この歌詞はいっそう心に響き感極まる。
小泉恵理子の涙はきっとそういうことの表れなんだろう。
その友人も、この日、会場で彼女を見守っていたらしい。
この涙で、当初の違和感などを流しさったかのように、
次の平井堅「強くなりたい」のカバーは、彼女の持ち味だろう躍動感が
歌に出てきた。
そして、5曲目にもってきた自作曲「2 hours」が、今夜もっとも秀逸だった。
よく米教会で聞くような、ラップ調ゴスペル風。悪口ばかり言い合ていていいの、これが人生最後の2時間だったらそんなこと言える?神に祈ろう、人生の素晴らしさを語ろう、2時間あったら。そんな意味だったろうか。
この日のテンションのせいかもしれないけど、彼女にぴったり。
とっても楽しげで、客席ものっていた。
この後のMCでは、いきなりキーボードののんちゃんと漫才(?)
そして一転、帰国後に大病を患い入退院を繰り返し、人生に悲観していた日々を語った。そしてゴスペルを歌う場を得て、いま歌うことが生きていること、歌うことが祈ること、と。
漫才でのんちゃんが語っていたが小泉恵理子は金髪でギャル風だったという。確かに今でもそんなノリなんだけど、彼女の本質はもっと複雑な印象がある。病苦を乗り越え、今ある自分への感謝や歌への情熱がひしひしと伝わってくる。
そんな闘病中に生まれたらしい曲「しおれかけた花」も、
抑えた曲調ながら訴えるように歌う。
7曲目「気づき」で終演。
ライブアーティストとしては、うまくないかもしれないが、スピリットや伝えたいという気持ちがたっぷり。
ゴスペルシンガーとしての舞台を見たいと思わされた。
ラストバッターの神山みさは次項で