4番手は「cossami」
この春デビューした、「こさ」ひろこと「み」なみの二人組女性デュオだって。
NHKアニメ「獣の奏者エリン」の挿入歌とエンディングテーマを歌ってるらしい。
ごめん、知りませんでした。
こんなに素敵な二人組がいたことを。
ライブハウスの中に、そして僕の心に優しい波紋が広がる。
きれいな高音が透きとおる、しなやかな声。
押し付けがましくなく、でもしっかりエッヂのきいたギター。
アニメの曲に選ばれただけあって、母子で応援してくれることもあるそうだ。
こどもの純粋な感受性に受け入れられる穏やかな優しさを
みなみちゃんのボーカルが紡ぐ。
きっと彼女自身が、人に対して攻撃的ではないんだろうな。
愛情のある家族や友人のなかで育ってきたんじゃないだろうか。
そして、その家にはきっと音楽が満ちていたのだろう。
すごく音感が良いし、自分たちの音楽が描きだすものに対して
美的なイメージを描けている気がする。
ギター&コーラスのひろ子ちゃんも、ステージにあがった時、
お客さんの注目に素敵な笑顔で応えていた。
弾いている時はマジで、ちょっとこわそーだけど。
激しい刺激を求める人には物足りないかもしれない、平和な。
後でブログを見てみた。
二人ともかに座で、25歳になったばかり。
高校の文化祭で組んで歌ったのをきっかけに、2006年夏にコンビを組んだんだって。
高校卒業後は、それぞれが違う進学先に進み、この春卒業。
時を同じくしてデビューになったわけだ。
みなみちゃんは多摩美ということだが、音楽科ってあったっけ?
造形表現だろうか。
こんなプロフを見つけた。
「それはいつもの散歩道の公園や、窓からの自然光がやさしい近所のカフェ、お気に入りの雑貨や植物に囲まれたリビング、といった郊外型ライフスタイルに似合う、良質なオーガニックポップ」
うん、確かにそんな感じだ。
ちょっと驚くのは、こんな早くデビューしたという事。
きっと有能な人との縁があったと推察される。
もし僕がプロデューサーなら、確かに二人をデビューさせたくなるだろう。
二人ともファッション誌の読モやっていたというのもうなずけるマスクとスタイル。ルックス良く、森ガール的におしゃれで、やさしい声を持っているのだから。アニメから入ったというのも、売り出し方としてなるほどだ。
でも、何より彼女たちがプロになるということで、急速にレベルを上げたのではないだろうか。
ブログを見ると、この一年ぐらいのスケジュールがすごい密度だ。
エリンの曲を入れたアルバムの発売とともに、全国のTSUTAYAを回ってインストアライブをやっているが、その回数と移動距離は半端じゃない。
今日は北関東、明日は大阪・奈良、東京に戻って、すぐ新潟といった漢字でツタヤを廻っている。
その間に吉祥寺のカフェで定期的にライブをし、バイトや大学の勉強も続け、そしてまた泊まりがけでレコーディングをして。
間違いなく磨かれるだろう。
アマチュアとプロの差はそんな密度の濃い経験、場数の多さで生まれる。
ちょっと前まで、私たちと同じだったのに、と思うバンドもいるのではないだろうか。ここで一気にプロの水準に達したのではないか。
ひろ子ちゃんのギターの音に隙がないのを聞いて、そんな事を思った。
一曲目の「Sun.day」は、本人たちもお気に入りの曲のようだけど、
聞いていて有名な「一週間の歌」を思い浮かべた。
楽しい日常がそこに、描かれていて、ほのぼのした。
カバー曲も格好よし。「I can」「青い星」など最後まで楽しめた。