38歳の女性

 

好きな人ができたけどどうしたらいいか?

というご相談である。

できれば結婚したい

 

易で占ったところ、

3か月以内に、依頼人のほうから告れば

結婚のチャンスある

と出た。

 

依頼人は、うれしそうな顔をしながら

「でも、自分から告ってうまくいったためしがないから・・・」

とか

「男の人からプロポーズされたい」

とか

ごたくを並べて、悩んでいるフリの顔して

俺を見つめながら、

 

百歩さんなら、なんとかしてくれるでしょ。きらん☆彡

 

と(38歳にもなって)

あからさまなジョークであれば、ぜんぜん心配しない。

むしろ頼もしいくらいだが

 

くそまじめなだけに、かえってやっかいなのである。

 

「自分で告ったのって、何回あるの?」

「え?あ、何回だろう?

最初におつきあいした人は、大学時代で

自分から付き合ってって言って

それで交際は4年つきあってたけど、

結婚するのは早すぎると思って

次の彼氏のときは、彼氏のほうから言われたので・・・

それ以降、カレシいませんから」

「ということは、自分から1回告って、一応交際まですすんだ。

実績としては、そんなところね。

自分から告って、うまくったためしがないとか言ってるけど

そうでもなさそうだね」

 

と事実をのべると、カチンときてしまったようだ。

 

「プロポーズは男性にしてもらいたいという願望は

彼に伝えればして、結婚を考えてくれたらしてくれると思うけど、

今回は、3か月以内に自分から交際を申し込めるかがポイントだね。

結婚を前提にって言っちゃっていいよ」

 

という俺の言葉も、どっか聞く耳持ってない。

 

「自分から告ればうまくいくよ」

「絶対ですか?」

「うん。絶対にうまくいく」

「絶対なんてありえないですよね? 占いが当たらなかったらどうするんですか?」

「別に、どうもしない。それよりも、君が告らないほうが心配。

絶対、告って。3か月以内に」

「・・・」

「自分から3か月以内に告ってね。4回言ったから覚えたね」

と、やさしくいったつもりだが、

やっぱりどっか、壁を作られて、そこには刺がついているように思えた。

 

占いなんて、当たるも八卦、当たらぬも八卦である。

特に、今回の占いに使った「易」占いは、

八卦を使って占う方法である。

 

この占い方法は、占い師が占いの答えである「卦(け)」を

どう解釈するか?

占い師の力量がよくでる占いでもある。

手相みたいに、万人が同じ読み方になる(はず)のとは違う。

 

もちろん、ものごとに「絶対」はありえない。

それは、この易占いがこの世の中に広めた哲学である。

 

占い師のほうはいいのである。

当たろうが外れようが、そこはぜんぜんまったく問題ではない。

100パーセント当たることもありえないし

100パーセント外れたとしても、

占いをして対価をいただければ、それでいい。

 

 

ようは、クライアントのご希望を

占いの質問として言語化し、

具体的にして、具体的に行動要請して

今とは違う行動をしてもらい、

少しでも前に一歩出て、動き出した!私、前向きにおういえーい\(^o^)/

ってなればいい。

 

今回の場合で言えば

占いの結果、3か月以内に告れば結婚できるチャンスはある

と出たのである。

しかも、クライアントの将来の希望を叶える結果であるわけだ。

クライアント自身が、自分で行動すればいいというのも

とてもいいことだ。

 

ここでのリスクは

告ってフラれて、占いが外れた。ふえ~ん

よりも

告らずに時が過ぎ、「もしあの時、ああしていれば」

占いが当たっていたのかもしれない。

という長い後悔に俺が関わってしまうことにある。

 

 

それから、1年半たって再び40歳女性となって現れた。

結果報告である。

 

彼女は、3か月以内に告れなかったそうである。

理由は、仕事が忙しかったからとか、

親が体調を悪くしてとか

くそまじめさんによくありがちのことを並べ

百歩さんは絶対って言ったけど、

絶対なんてないだろうし、

自分に勇気がなかったと反省の弁を述べているが

 

俺が占った6か月後に、やっとの思いで

好きな男性に思いをLINEで伝えた。

 

そしたら、男性からの返事が

 

半年ぐらい前に婚活をしだしたときに

君に「おれのことどう思う?」って聞いたら

その後、遊びの約束もこなくなったので

嫌われたのかと思っていた。

 

ほかの友人から女性を紹介してもらって

その人と結婚する。

子どもができたので入籍はすませ、

コロナがあけたら式をやろうか検討中

 

と返事があったそうである。

 

今回、俺のところにきたのは

次に結婚のチャンスはありますか?

というご相談だが

次の婚期は68歳と聞いて、がっかりして帰られた。

 

ひとは、やって失敗した後悔よりも

やらずに、「もしもあの時・・・」と後悔するほうがダメージがでかい。