占いは圧倒的に、占い師も女性なら

お客も女性が多い。

 

ちょうど俺がプロデビューしたバブル期が境目だった。

そのころ、銀座の母、新宿の母が大人気で

女の悩みは女が解決するんだ

って占いの使い方をされてきたんだと言える。

 

というのも、ちょうどそのころ

自由恋愛して、自分で結婚相手を選ぶ

って思想が

親が決めた相手とか、お見合い結婚を

うわまったころで

 

女性がビールを飲んだり

夜遅く出歩いたり

男性とタメ口とか

子供を置いて遊びに行く

なあ~んてことが、はしたなくて絶対できないことだった。

 

仕事か結婚か の2択で

仕事して結婚して育児をひとりでやる

離れ業を自慢するようなタフな女性でないと

結婚できなかったわけだ。

 

そのなごりがいつ消えるのかなあ~と思いながら

30年たって

 

自由恋愛、自分で相手を選べない人は結婚できず

 

ビールを飲む、あぐらをかく、子供を置いて遊びに行くが

絶対できないときより、

架空の世間体、実態のない人の目となって

誰も何も悪いことしているわけではないのに

妙な後ろめたさや罪悪感を残し

 

結婚と仕事も、男性のように人生の延長上にいられない。

結婚して子供生んで、仕事して、

離れ業だと自慢もできず、普通の幸せとすら思えない。

3つそろってもこんな調子だから

結婚、出産、仕事、どれか1つでも問題があれば

普通じゃない=不幸 という認識なわけだ。

 

連載が始まった当時のクレオンしんちゃんのパパは

当時は普通のサラリーマンだが

今ではボーナスも出て、家も車もあって

妻を専業主婦にできる勝ち組になった。

 

だけど、みさえさんは、こどもたちの教育費に頭を抱えず

将来の老後の心配もせずに離婚も考えない。

パートでしか働けないってワーキングプアーに陥ることもなく

ましてや正社員で仕事しようと野心もなく

専業主婦の地位を満喫していても死守しているわけでもない。

 

クライアントに

「幸せになりたいんです」と言われるたびに

じゃあ、あなたの幸せって何?

って、やさしく言うようにしているが、

どーにも、怒りを持ってしまうのはなんでだろうと思うときがある。