こちらの画像、誰だかわかる方いますか?

 

(ちらほら手が上がる)

 

そうです。『もののけ姫』に出てくるヒイさまと呼ばれている巫女です。

 

占いは長い間、政治、宗教と密接に関りを持っていて、

ヒイさまもそうですが、卑弥呼のように、政治家としてのトップが

そのまま占い師や宗教家をしているケースや

 

ナウシカのおばばさまのように

王様のそばに仕え、意見する№2 の立場の者

 

大きくこのふたつに分かれます。

これは、どこの国の文化にもみられる現象です。

 

というのも、地域共同体の中心に同じ宗教を信仰している

ってのがあって、行政もそこが管理する。

 

キリスト教だと、日曜日に行く教会とか

イスラムのモスクとか

宗教施設を管理する人が、同時に共同体も管理します。

 

日本だと、神道の氏子  お寺の檀家っすね。

 

たとえば、17世紀のドイツでは、キリスト教の牧師になるための

大学の授業で、手相を教えていましたし、

今でも、イスラム教の指導者の中に、コーランをパラパラとめくって

指をさすブック占いができる方がおられます。

 

宗教家は、地域の中心でしたし、当然、心のよりどころであり

生まれればお宮参りや割礼で、生まれたことを知り

死ねば葬式で、死んだことを知ることができた。

そのため、

どこに誰が住んでいて、家族構成はもとより、

仕事や経済状況、

夫婦仲が悪いだの、性格がどんなだのも把握していたわけです。

 

また、占いを担当する巫女などは、

普段は神社から一歩も外に出ないのが普通で、

占いに来たクライアントの個人情報を、

言いふらす機会もないわけで

共同体とは切り離されている。

 

これは、現代に比べると、

クライアントからすれば、占い師を選べない不自由はあるにせよ

共同体に必ず占い師がいて、困ったことがあって相談したいときには

そこに行けばいいということが明白で、

現代みたいに、どの占い師がいいのかな? と探す必要がない。

自分が所属する、神社やお寺さんに行って、相談すればいいわけです。

 

さらに、依頼者の話に登場する人物についても、

占い師の側にも、すでに個人情報があり

困りごとを、占いの結果だとして、仲裁や介入することができたわけです。

 

たとえば

結婚したいけど、相手が見つからないという相談は、

現代でも圧倒的に多い相談ではありますが

 

共同体があったころは、宗教家に相談すれば、

すぐに候補に目星がついた。

村の中で年頃の相手を紹介することもできましたし、

自分の村に候補がいなければ、宗教のネットワークを使って、

隣村の者の情報も手に入るし、引き合わせたり仲介もできる。

 

今でもインドやスリランカなどでは、

結婚したいと占い師に相談すれば

占い師が持っている人脈を使って、結婚相手の候補を

ホロスコープで相性や将来を見て決めることがあります。

 

身分違いとかあって、親に結婚を反対されているなどあれば、

占いの結果だとして説得することもしましたし

 

今でいうセクハラやパワハラ、DVがあれば

被害者が何も言わなくても、

相談に来た方の個人情報はすでに持っているわけで、

お仕えしている庄屋とか、上司がどんな人物なのか知っていたわけです。

暴力をふるうダメ夫のことなど、子供のころから知っていたでしょうし、

暴力から逃れるために宗教施設でかくまい、

悪いことをしているやつらに説教を食らわせり、改心させたりもできたでしょうし

それができなければ、まじないや呪いをかけることもできたわけで(笑)(^。^)