毎朝、同じ方向に向かう人の群れに交ざるのが以前は誇らしかったが、最近は「なんだか窮屈」である。

「わたしはこの人たちと一緒に行く訳じゃない。わたしが行く方向にこの人たちが行こうとしているだけなんだ」と思うことにした。

 

「もう10かあ」感嘆。

「9」は2年前に今のアパートに引っ越してきた時、引っ越し荷物が届くのを待って読んだのだった。

 

テレビドラマにもなったので、見た人も多いことでしょう。

テレビだと退社後にバスを待っていたのは、晴海かどこかが舞台になっていたのかな。

 

「イーブンである(「つじつまが合う」かな)」を合い言葉とし、「ウサギは追わない」をモットーとする森若さんが、なぜかウサギを追いまくってしまう・・・という話。

しかし、花咲舞も森若さんも、なぜ会社の不正を暴くのにわざわざ時間外無給労働をするのだ!

 

シリーズの途中から登場する麻吹美華さんが、原作だと洗練された美女っぽいのがドラマではちょっとお笑いが入っていて、真夕(まゆ)ちゃんと三人で張り込みをする際(ドラマのオリジナルシーン)、

「あっこれ違うわ、撤収!真夕ちゃん、あんパン食べる?」

「牛乳はわたしが飲みます」(だったかな)

「ちょ、ちょっと待って、二人とも(森若さん);」

のやり取りで爆笑した人も多かったかと思う。

 

ドラマで「あ、勇太郎さん(同僚)ってこういう人かあ」と納得し、原作の「山崎さん」(ちょっと捨て鉢な、斜めに構えたエリート)が好きな私である。「鎌本さん」は相変わらず嫌な奴である。

 

毎日きちんと仕事をこなし、帰宅すると栄養バランスの取れた食事を取り、その後はネイルをしながら映画を1本見る(なぜかジャンルがバラバラで、「ジョジョの奇妙な冒険2」だったりする)森若さんだが、営業部の「太陽くん」(名前そのままの人)にぞっこんにされ、遂に付き合いだし、この巻では、

 

「あ、とうとう。」(感嘆)

 

森若さん:「太陽は明るく優しく、疲れたらお疲れさまと言ってくれ・・・(中略)なんと恐ろしい男なのか。」

笑。

 

真夕ちゃんはひたすら若く明るく、森若さんを慕っているのだが、森若さんは実は真夕ちゃんの「雑談力」に脱帽している。

いますね、「なんとなくこの人にはなんでも話せてしまう」人。

 

あと、森若さんと研究所の親友、美月さんとの関係がベタベタしていなくて好きである。

 

だいたい会社ものというのは、人間関係が複雑で「誰が、誰だっけ?」となるのだが、このシリーズはそれぞれの個性がちゃんと出ているので覚えやすい。

 

毎巻、さいごに「おまけの真夕ちゃん」が付くのだが、今回は

「太陽さん、結婚するんだって。あんなに森若さんのこと、追いかけ回していたのになー。」

 

あ、あ、あの、真夕ちゃん。

次巻の真夕ちゃんのリアクションを想像するだけで、もう。

 

青木先生、早く次を出してください!

 

「会社もの」は好きなジャンルだったが、最近少し読むのが辛くなってきた。

「会社員人生」もそろそろ潮時かなと思っています。