やっと読んだ(安堵)。

 

会話体が多くて読みやすそうだったので借りた、初めての作家さんだったのですが。

 

あのおーう、このーう、

文章がお洒落で、謎の美女が登場して初対面のヒロインをグラスに例えて「あなたもからっぽの人だから」と笑ったり、

あのーう。

 

文章がお洒落で、出てくるお料理や家具やお洋服がシックなんですが。

 

苦手なんですよね、わたし、こういうの(泣)。

 

だいぶ前に亡くなった作家で森瑶子さんという方がいらっしゃいますが、ファンの方及び関係者の方、ごめんなさい。

わたし、この人の作品、かなり積極的に嫌いでした。

なんか話が妙に気取っているというか、現実味がなくて。

その人の文章に雰囲気が似ているのだ。

 

性格の違う羊子と瑠璃の二人の間をポンポンしながら話が進むのだが、だから、あんたがたはいったい、何をどうしたいんだよ。

やたら金のかかる洋服やら小道具が出てくるんだが、生活費どこから出てるんだよ(泣)。

 

なんとか半分まで読み、「もう、とっとと終わらせよう」と今日後半を読んだのだが。

「そういうことか・・・。」

後半、かなり怒濤の展開というか、伏線の回収ぶりでした。

 

この話、ヒロインは羊子で瑠璃は狂言回しというか、話を進める役割である。

冒頭出てきた広川という中年男性は、羊子は散々夢中になった挙げ句あっさりと捨ててしまう。

そして女盛りになった羊子は沢崎という男を追い続け、そこに美しい妻が絡み、そして若い顕ともあっさり関係を結び、

 

おまけに片方と結ばれたと思ったらまた最後、若い男に秋波を送って、

こらーヒロインよ。

おまえは、なにがしたいのだ。

なにがいったい欲しいのだ。

 

で、「そうか。」

これは、「自分が本当はなにが欲しいのか分からず、さまよっている人たちの話」である。

 

「月」という文字には底がないね、という最後のエピソードは切ない。

 

自分があっさり捨てた男は、自分を女神だと後に語っていた。

挿話に映画「道」が出てくる。

小さな石だって、なんらかの価値がある。

自分なんて、といくら卑下してやけっぱちになっても、人は生きている限りなんらかの絆を他人に投げかけているのだ。

 

しんどかったけど、いい話でした。

 

来週には、予約してあった本が届くことでしょう。