IT講座を24時間受け続けた今、わたしは猛烈に小説が書きたい。
最後に書いたのはいつだったか検索すると、「あ、コロナ前にちゃんと応募している」。
むろん、落ちているのだが。
題材は良いのに(ずっとこだわってきていた「閉塞感」「生きづらさ」をこの時からテーマにしている)なぜ落ちたのだろう?と改めて読んでみると、ここ2年間、たくさんの作品を読んだ後なので、「わかった」。
個性的でない。
いかにも「しろうとが頑張って書きました」感が抜けていないのである。
もっとことばの感覚を磨きに磨いて、いつの日か自分にしか書けないものを書きたい。
「日本語教師の教案作りって密だから」1時間も集中していると脱力する。
合間にずっと見たかった標題を見ました。
ひとところ騒がれた、「乳児の取り違え事件」。
本作では看護師の悪意で故意に行われたことがわかる。
福山雅治演じる主人公が実に嫌な男である。
対するリリー・フランキーの電気店のオヤジである父親を軽蔑している。
「二人ともうちで引き取りたい。裕福だし、その方が二人とも幸せなはず」とぺろりと言って、向こうの夫婦のみならず自分の奥さんまでも激怒させる。
「あなたがあの子を見て言ったこと、わたし一生許さないから!」
はい、女とは「決して忘れない生き物」です。
(聞いているのか、全世界の男性よ-)
この、理屈だけで生きてきた男が「子供と過ごす楽しさ」を知り、手放してしまった子供の自分への愛情を知って涙して「そして父になる」。
電気店のオヤジが最後、
「あ、わかったみたいだな」
という笑顔で彼を迎える。
いい作品です。
テーマがぶれない。
1本、ぶっとい芯が通っていて、無駄な部分がない。
役者さんたちも(子役を含め)みなさんいい仕事をしていらっしゃる。
なにを教わるか、ではなく、「なにかキモチいい話を見たい」と思ったら本作をご覧ください。
*さて、教案がまだあと4分の3・・・。