これは、写真を見せてそれについてどういう言っているものなので、実際に写真を見せられないのが残念である。

昭和20年代の後半から昭和40年代にかけて、「ぽっとんトイレ」(水洗ではなく、くみ取り式のトイレ)のある小屋とか、「テレビが降臨して、ご近所さんまで呼んで皆で正座して見ている」風景とか、お客さんにお茶を入れるのにおばあさんが「胸丸出しの上半身裸」の写真とか、

 

「今見るとなにこれ?と思うんだけど、半世紀ぐらい前までは日本ってこうだったんだよ」の写真集である。

 

わたしも実は随分大きくなってから漫画「三丁目の夕日」を読んで知ったのだけれど、日本で水道が普及したのは実は昭和30年代であって、それまでは家のお母さん達がお風呂や炊事の水を、家の井戸からせっせと汲んでいたのだ。(だから、家には家事をする人=主婦が必要だったんですね。)

 

洗濯機の脱水は洗濯物を洗濯機のローラーに通すことで行われていたし、冷蔵庫は電気ではなく、上部に氷屋さんが配達してくる氷を入れて冷やす形式だった。

 

江戸時代末期、来日した西洋人が一番びっくりしたのは銭湯が「混浴」だったことで、だから「うちからすぐだからいいや」と、音なの女の人が堂々とほとんど全裸で道を歩いていることだったそうで。

 

「ガキ大将」や「きかん坊」にはかなり甘めの批評を入れているので、「筆者は男性かな」と思ってみたら、やっぱりそうだった。

 

「この、ガキ大将にちょっかいを出されている女の子もああ、仕方ないなとまんざらでもない様子なので、」

いや、そんなことありません(断言)!

わたしは「ちょっかい出される女子」の方だけど、ほんっとうに嫌だったんですから!

 

もともと日本は女系家族で性的にもおおらかな社会であり、それが欧米式の考え方に浸食されて、どんどん社会が歪んだものになっていった・・・という説には一部賛成です。

「女性に家事を任せっきりにして、テレビ、冷蔵庫、どんどん最新のものを買えるように、男は24時間働け!働け!企業は永遠だ!」と突っ走らなければバブルもこなかったかもしれないし、当然バブルが崩壊することもなかったし、「高度成長」しなくても「ゆっくりと成長していく道」もあったのかもしれない。だったら、今のこの社会ももっと皆が暮らしやすいものだったのかもしれない。

 

でも、もう過去には戻れない。

 

「ああ、なつかしい。」

 

懐かしいですけれどね、わたしも。

でも、社会は進んでいってしまっているので、もうわたしたちはこのまま進むしかないのだ。

 

思い出はセピア色のまま、美しく取っておきましょう。

 

どこかで見かけたら、どうぞ。