英訳のタイトルは、ズバリ"Japanese Society"。

半世紀以上も前に書かれた知る人ぞ知る「日本社会を斬る」名著だが、なぜかまだ読んだことがなかった。

 

毎日のオンライン英会話の他に月2のプライベート・レッスンも受けているのだが、これが最近、若いピチピチのアメリカ人留学生の女の子に代わった。久しぶりに見る金髪碧眼の欧米人(コロナ前は東京六本木界隈にはゴロゴロいた)に、「わー、お人形さんみたい」と感嘆しているわたしである。

 

その彼女にはなぜか英語を教わる代わりにもっぱら日本語を教えているのだが(前回は「が」と「は」の用法の違いを説明しました)、「これこれの言葉には、『ウチとソト』が関係しているの?」と訊かれて多少驚いた。

 

本著、まさに焦点は「日本人は身内に甘く、よそ者に厳しい」ということである(私の理解する限りでは)。

 

少し脱線しますが、半年くらい前から「モーニング」で「サラリーマンZ」という漫画が連載されており、これが面白い。「サラリーマンものかな?」と思っていると、ある日突然そこら中にゾンビが溢れだし、有名会社(らしい)「タケフク」本社の社員達はオフィスに取り残されたまま、脱出できなくなってしまう。

 

この緊急事態を仕切るのが方や日本の理想のサラリーマン、もう片方は若いベンチャー系、という組み合わせで。今週の連載で、後者が語ることには、「日本企業は社員に手厚く、働かない奴にもちゃんと机と給料が与えられる」。

 

そう、日本社会は「ウチの人間」には優しいのである。

 

ところでわたしの住んでいる町はローカルとはいえそこそこ規模はあるのだが、最近、「だって世田谷では、牛乳1パック115円で買えたんですよ!」などと言うと、話し相手の顔が「えっ本読みさんって、東京にいたんですか?」と、ぱあっと輝く、という法則を発見した。この前のバイト先の上司は「僕は東京生まれの東京育ちで29歳・・・」と言っていたが、「わたしの方が東京歴長いねん!」と突っ込むとがっくりと肩を落としていた。「よそ者」でも「東京から来た」は別格らしい。これは将来、せいぜい使わせてもらおう。

 

また話がそれるが、

 

「働き方改革」で定年が延長されてきているが、「妖精さん=働かないおじさん」が大量に生れつつあるのはどうするんでしょうね?「会社の外は寒いし、今さら会社から出て行きたくないし」と言って仕事もせずに会社に居座り続けるおじさんたちにもっと働いてもらわないと、定年延長の意味がないと思うのだが。

 

話はもどって、この日本の「ウチソト意識」がインドのカースト制度と比較されているのは面白い。インドでは、「見ない顔だなあ。あ、でも同じカーストなのね。仲良くしましょ」で和気あいあいとやれるのに、なぜか日本人はそれができないのだ。

 

この本が書かれて早50年以上。

「タテ社会」、わたしは大っ嫌いです。

そんなもんぶち壊して、老いも若きも、外国人も日本人も、金持ちも貧乏人も、みんな仲良くやりましょう!