これは、実は読んだことはありません。

 

以前、通信大学の「イギリス文学」のお題で執筆者が熱弁をふるっていたのが印象に残っていたのだ。

『善良なる兵士』または『よき兵士』として日本では知られていますが、中身は兵隊ものとはまったく関係なく、やたらめっったら悲しい不倫ものなのである。

なぜこれをThe Good Solderと名付けたのかはわからない。

 

なぜ今日、これをふと思いだしたのかというと。

 

「なんとかの理論」というのがあって、

軍隊において、

 

・やる気のある有能な者は良き将校となる。

・やる気のない有能な者は良き参謀となる。

・やる気のない無能な者は良き兵士となる。

 

とあって、では、「やる気のある無能な者は」というと、

 

「銃殺するしかない」。

 

つまり、「何もわかっていない馬鹿がやたら張り切って仕事をめちゃくちゃにするのが一番困る」ということで、多くの会社員はここで大きく頷くのだが。

 

私が今日、仕事場で出した結論は、

 

「自分は、『良い兵士』にはなれない」

 

ということなのだ。

 

私が主に首都圏周辺で外国人相手に切った貼ったをウン十年続けていられたのは、

「なんかわからんけど、とにかくお前がなんとかしろ!」

というスタンスを与えられていたからなのである。

 

でも故郷に帰って仕事を渡り歩く中、この町で必要とされるのは「良き兵士」、つまり「なんだかさっぱりわからないけど、言われた通りにやりゃいいんだろ」という人たちだということで。

 

この町の人たちは、わからないことを「わからない」と言わない。

でも、とにかく命令はよく聞くのだ。

 

「えっ、でもその場合、私はこう思うのですが・・・」と言う私はいつも叱責の対象となり、上司を苛つかせるのだ。

 

東京では、欧米人や日本人の上司たちが「本読みはどんどん自分の意見を出してくれる。何も言わなくても、自分で察してずんずん仕事を進めてくれる。すごい!すごい!」と言ってくれていたのに。

 

でも、私は自分に嘘はつけない。

わたしは「良き兵士」には決してなれないのだ。

 

それではどうするか、というのが今の課題なのであって。

 

しばらく、葛藤の道を歩みそうです。

 

はい、職場ではまわりと仲良くしたいと思っています。