図書館はようやく今日開館したが、それまでのあいだ、1年前にここへ引っ越す時に持ってきていた最後の1冊を読んだ。
手持ちの本はほとんどブックオフに出してしまい、それでも引っ越し手続きの待ち時間のために5冊ほど文庫本をスーツケースに入れてきた、本がないと生きていけない私なのである。
話は、つまり標題のとおりです。
最近は「出世したくない若手社員」も多いそうで。
こういう、「出世競争」みたいなドロドロした話って、私には興味深い。
ウン十年いろいろなところで会社員をやったが、いつも私は何か「ユニークなポジション」にいたので、「誰かと比べられる」ことがほとんどなかったのである。
(とはいえ、「マウンティングしてくる人」はやはりいました。
安穏と見えるのか、よく転職してきて肩を怒らせている人がまず言いがかりをつけてくるのがなぜか私で、「本読みさん、あのねえ、これ困るんですよね?」といちゃもんをつけてくるので、「アンタ何ゆうとるねん!わかっとらんのはお前じゃろが、この新米!」とブチ切れたことが何度かあります。相手はいつも仰天していました。そういうタイプだとは思わなかったらしい・・・)
逆に言えば、「あれもこれも自分でやってきた」のであるが。
私が引っ越し前に会社を辞める時、数十ページにもわたる引継書を作ったのに上司が「だから、具体的に何をどうすればいいのか説明しろよ!」と怒鳴りやがったので、ブチ切れた私は「その時の状況を見て、『何をどうすればいいのか』から考えるのが私の仕事だったんですよ!」とウン十年の怒りを込めて怒鳴りまくった。
顰蹙を買ったと思っていたが、ロッカーで転職してきたばかりの若い理系女子がぽつりと「わたしも前の会社辞める時そうでした・・・」と慰めてくれた。
私の後任には会えなかったのだが、(と、いうより、採用面接に私は同席させてもらえなかった。私の後任なのになぜだろう・・・)先日風の便りで、「前の人がすごく細かい資料やら引継書やら作っていてくれてびっくりです~。お礼言いたいです」と言っていると聞いて、満足である。
最近、自分語りが多いね。
本題。
駒子さんはカメラマンなのに家事のために主夫してくれている夫と、サッカーに夢中な娘と平和に暮らせればそれでいいし、別に仕事に変な矜持とかポリシーを持っているわけではないのに、なぜか「次長」に昇進させられてしまう。
次長。
微妙なポジション。
「次」とつくということは、その先は当然部長ということで、火花ビシバシ飛ばしてくるライバルの視線。
夫はそろそろ復職したいと言い出すし、張り切って高校でサッカー部に入った娘は登校拒否になってしまうし、就任早々古狸の「使い込み」を見つけて本人に詰め寄ると、居直って「こんな上司の下では働けない。辞めさせてもらいます!」
おやおや。
で、後半4分の1、駒子さんと一家がどうやってその危機を乗り越えていくか、という話なのですが。
読み終わって、「管理職になりたい」と思ったこともあったけど、やっぱりならなくて良かった私の人生、というのが感想である。
誰もが、「自分の人生の管理職」になって自分自身を出世させていければいいよね、
というのが今回のオチでした。