脳ドッグへ行ってきました。
「いやー、キレイなもんですよ。3,4年来なくてよろしい。」
しかし、認知症で亡くなった母も生前そう言われた、と自慢していましたが。
この作家さんも初めて。
売れないライターが、少女失踪事件を巡って母親を初め関係者たちにインタビューしていく進行で、
「そうか。この、一発逆転を狙っているライターが『諦めない女』か」
と思ったのでしたが。
ちょっと目を離した隙に6歳の娘が失踪してしまい、母親は狂乱する。
「いい加減にしろ。俺は写真一枚あればいいんだ」と妻を見捨てて若い女性と再婚し、息子を設ける夫。
「つまり、あの子はもう死んだって言うこと?違うわ、絶対どこかで生きているわ!」
半狂乱になってビラを配り、成長した娘の友人に「あの子を忘れたの?」と詰め寄る母親。
「あらやだお酒くさい。こういう母親が一番困るのよね」
この、理屈っぽい学校の先生が一番嫌いである。
宮城まり子さんが「ねむの木学園」を設立したとき、「子供には厳しくするのが一番」とか教育論を偉そうに垂れて、障害のある子を無理に歩かせようとした教師がいて、まり子さんは思わず子供を抱きしめて「この、XXX!」とか叫んでしまったそうだが。
(後で作家インタビューを読んだら、「こういう人物だったらこういうことを言うだろう」と、人物造形に随分工夫を凝らしたそうです。)
姑も実の姉妹も呆れる。姉妹のコメントが面白い。
「平凡な女だったのに、何か、娘の失踪を機に自我が芽生えたようで、」
そうか、このお母さんが「諦めない女」か・・・。
と、思っていたら。
最後まで見つからないと思っていた娘が途中でいきなり出てきて、読者驚愕。
そう、生きていたんです。
どういう状況だったかというと、
えーと、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』を思いだして下さい、
としか・・・。
その、娘のサバイバルを読むうちに、「あれ」と思った。
「『諦めない女』って、これ、娘のことじゃないのか?」
そして、その予感は最後に見事に的中したのでした。
生存を信じ続けていた娘が帰ってきて、めでたしめでたし・・・にならないのが悲しい。
「うーん。」
面白かったのだが、この作品って、「テーマは何」なのかな?
そこのところが、いまいち納得できませんでした。
明後日は人間ドック。
忙しい!!