「父親二人」の話である。

なので、今いち入り込めなかった。

 

奥さんを亡くした子持ちの男性と、好きな女性が妊娠したため、彼女のために結婚して彼女が海外赴任をしている間、日本で子育てしている男性がひょんなことから一緒に暮らす話である。

 

休日に男性二人で子供二人の手を引いて歩くと、周りが「うん?」と奇妙な視線を向けるので落ち着かない。

ゲイだと思われているのじゃないかしら(汗)。

 

それぞれに問題があり、奥さんを亡くした男性はその死を正面から受け取ることができなかった、また「母親の死について子供にうまく説明してやることができなかった」という負い目がある。

 

また、好きな女性と結婚した方は、「彼女と結婚したのは友だちとしての思いやり、と彼女は思っているので、実は自分は彼女を愛していたことを彼女は知らない」という葛藤を抱えている。

子供は彼の実子ではないので、孫だと思って可愛がっていた母親は実は孫ではなかったのだと知ってショックを受ける。

 

そして、それぞれが出したこれからの結論とは・・・。

 

「ふむ」

 

子供は産んだことはないのだが、「母親の気持ち」というのは、なんとなくわかる。

でも、「父親の気持ち」というのは、よくわからなかった。

 

わたしは女兄弟で、しかも二人とも独身なので、父に

「息子、または婿と二人でちょっと差しで飲みに行く」

という機会を設けてやれなかったのがちょっと残念である。

(父は下戸であるが)。

 

しかし、

 

「いろんな家族の姿があるのだな。」

 

もういいお歳なのだが、わたしにもいつかできるだろうか、わたしの家族。