そろそろ初夏の始まり、ということでカーペットを取っ払った。
急に部屋が広くなった感じである。
お弁当を作るのをやめた。
会社が終わるのが6時、買い物をして帰って来ると7時半。
夕飯を作っている余裕はなく、おにぎりで済ますかプロテインを飲むので、お昼ぐらいコンビニで好きなものを買って食べたい。
どうせ食費の差は1万円ぐらいである。
標題は、80番も予約を待ってやっと回ってきた。
『三千円の使いかた』のヒット以来、「なんだか、『お金の専門作家』みたいにされちゃって気の毒だな」と思い、また、「『三千円の使いかた』みたいなほのぼのホームドラマかな」、と思って読んだのだが、全然違っていてすごくシビアな内容だった。
少し前から興味を持っていた「貧困女子問題」に通じるところがあります。
冒頭、節約に節約を重ね、「ハワイでヴィトンのお財布を買いたい!」と夢見た主婦の話から始まる。
「私のお金から出すから」とやっと夫を説得し、子供を連れて夢に見たハワイ、夢にみたヴィトンのお財布。
記念に自分のイニシャルを彫ってもらう。
(*しかし、私は付き合いでハワイに行ったことがあるけれど、何がいいのか全然わからんかった。
西回りと違って東回りは時差がきついし、ファストフードはとんでもない量が出てくるし。
沖縄にも付き合いで3回行ったし、石垣島にも2回、奄美大島にも1回行ったけど。
石垣島ではホテルで「5時間エステ」していたし、奄美大島では温泉、沖縄では地元のプールに行っていただけ。
こういう所って、ビーチ好きな人しかはまらない所ですよね。)
ああ、夢が叶ってよかった・・・と思っていたら、夫が
「お、やったじゃん。クレジットカードの請求、3万円だけだよ。いつも通り」
さ、3万円?
それはないでしょ、買い物もしたし、ご馳走も食べたのに!
これは、そう、
「リポ払い」になっていたのである。
私は何度も「リポ払い」を勧められたが、「冗談じゃないっす!一括払いだって借金抱えているようで次月支払いに落ち込むのに!」と断り続けて今に至る。
で、借金額が全部でいくらあったかというと、
280万円・・・。
死ぬ気で親から工面し、泣きながらヴィトンの財布をメルカリに出す彼女。
イニシャルが彫ってあるのが災いして、財布はなかなか落札されない。
で、その後、その財布がどうやってどういう人に渡っていくのかというのが、「財布は踊る」。
投資話に踊らされる人、借金に困って友人たち片っ端から金を盗みまくる人。
「奨学金の負債を抱えた女性」2人の話は辛い。
食費は1万円。
ネットで「奨学金に困っている人、連絡よこせ」の話に乗ると、明らかに「体を売れ」と言っているのである。
しかも、「嫌がっている女とするのが好きなんだよね。」
・・・。
風俗で働く方がまだましである。
マネージャーが病気にならないか(つまり、あっちの方の病気だけど)しっかり管理してくれるし、変な客はたたき出してくれる(・・・と思う。実際に風俗で働いたことがないからわかんない)。
事が終わった彼女を友人が迎えに行くと、泣いている。
これは読んでいてとても辛かった。
占いから投資カウンセラー?に転じた女性の話も絡み、すべての人のエピソードが最後に向けて収束していく。
「これは、きっとものすごく取材して書いたんだな・・・。」
最後に財布は売った冒頭の彼女へと辿り着く。
が、彼女はそれを手に入れようとはもうしない。
「そうだ、夫ももう手放そう。」
「お金は寂しがり屋」とよく言いますね。
貯め込んで節約するだけではなく、上手に使っていかないと次のお金が回ってこない。
件の女性は「大家業」として成功するのだが、
実は私も過去2週間、それを考えていました。
でも、やめました。
私はいつも身軽でいたい。
ご飯を食べるテーブルと、パソコンを使える机と、ベッドがあればそれでもう充分。
あとは昼間は働いて、夜は本を読みたい。
幸い、私は占いで「あなた、いい耳してるわね!」と感嘆されたことがある。
四柱推命でも「食べるに困らない『食神』が3つも入っている」と何度も言われました。
高い持ちものなんかいらないから、好きなものを食べて、毎日気持ちよく眠りたい。
いろんなことを考えさせられる本でした。
80番待った甲斐がありました。