超お久しぶりです。
やはりフルタイムで働き始めると読書している時間などなく、おまけにオンライン英会話を始めてみたら超面白かったので「毎日25分コース」を取ってしまい、以前予約してあった標題が到着して2日で読んだ次第。
「ネットのリツィートの繰り返しで知らない間に連続殺人犯にされ、同僚も上司も警察も信じてくれなくて逃げ回る」恐ろしさ。
*読んでないけど、『白雪ひめ殺人事件』が同じような話だったような・・・。
「代わりに俺が制裁を加えてやる!」で、一般の人たちがバットを手に狩りに出たり、写真を撮ってネットにばらまいて主人公を追い詰めていく。(*しかし、暇な人たちですな。他にやることないのか。)
「自分は信頼される社会人」だと思っていた主人公の自我がガラガラと音を立てて崩れていく。「こいつなら絶対に自分を庇ってくれるはず」と頼った元部下は冷たく言い放つ。「あなたは嫌われていたんですよ」。ネットは匿名の批判で溢れる。「こいつ、元上司。ほんとに嫌な奴だった」「元の取引先。無理ばっかり言って虐められた」。
皆、俺を信頼してくれていたんじゃなかったのか?
そこへ、一番初めに事件を「これってやばくね?」とリツィートした青年に美しい女性が近づく。
そして言い放つ。
「あんたが、諸悪の根源だろうが!」
私はあなたのシンポジウムに興味を持って参加した。そして戦慄した。
あなたの発言は皆、「どうやって社会を変えていくか」ではなく、「どれほど自分たちは悪くないか」というものばかりだった。
あなたのリツィート、あれで事件は炎上し、彼は犯人に仕立て上げられた。
あなたの無責任な一言のせいで!!
この、「サクラさん」と真犯人の関係がどうにもよくわからなかったのだが、レビューを読んで、「あ、そういうこと。」附に落ちた。
映画ではなく、文字上では人は想像するしかなく、時系列のトリックにあっさりと引っかかってしまう。見事な文学トリック。
最後はもちろん事件は回収され、ネットでは「犯人はあいつ、って叫んでいた奴ら、やばくね?」「逮捕ものだろ?」
いやいやそういうあなたたちも、同じ次元ですから。
最後は主人公は暖かく職場に迎えられて復帰し、「なーんだ、俺ってやっぱり偉かったんじゃないのか」というところで「反省していないのかな」とちょっとがっかりするのだが、
「俺に、インターネットを教えてくれ。」
ちゃんと学んだんですね。よかった。
ネットに限らず、「あいつが悪い!」「自分は悪くない!」と無責任に叫ぶのって良くないんだなあ。
ちょっと自分も反省した。
ネットに限らず社会に生きる以上、一度は歩みを止めて反省してみましょう。
自分は誰かを傷つけていないか?
無責任にたやすい言動をして誰かを追い込んでいないか?
明日は貴重なお休みです。