はい!やっとこの本にたどり着きました!!
実はこの本についての感想をだれかと討論したくて、
かといって読書掲示板に投稿するだけでは物足りなくて、
ブログの開設を思い立ったのです。
今年の1月27日の朝、NHKの「おはよう日本」で、
「1964年に出版された、アメリカにおける黒人差別問題を描いた
この本が、なぜか今よく売れている」
と放映され
たのを見て、
「読みたい!!」
と、その夜すぐアマゾンにポチしたもの。
が、在庫はあるはずなのに、なかなか届かない。
やっと届いた本を見たら、「NHKで紹介された」という帯がついていた。
戦後の混乱の中、母と妹を養うために、米軍の施設で働き始めたヒロインが、
黒人の伍長に気に入られて、求婚される。
この時のヒロインの、別に相手なんか好きでもなんでもないのだが、
「へっへー。私にだって、オトコのひとりぐらい、つかまえられるんだもん!」
という得意感が、同じ女性として、
「なんか、よくわかる(笑)。」
いろんな物資を運んできてくれる彼を歓迎していた母も妹も、
彼と結婚したいと言うと、態度が変わる。
「ニグロじゃないか!」
反発するように、ヒロインは求婚を受け入れる。
そして妊娠して、一時帰国して
「もう帰って来ないだろうけど、別に構わない」
と思っていた彼はちゃんと帰ってきて、ヒロインをアメリカに連れて行く。
アメリカで目にしたのは、すさまじい黒人差別の社会。
軍隊では伍長だった夫も、底辺の仕事にしかつけない。
さらに黒人差別の他に、「プエルトリコ人」という最下層が存在する。
「お金持ちの白人と結婚して、アメリカで暮らす」
ことを夢見た女性は悲惨な結末を迎える。
「ああっ、これは、」
途中まで読み進めて、私はこの本が今売れている理由がわかったと思った。
これはつまり、
「格差社会」。
本人の資質がどんなであっても、この社会には
「人は生まれた時から運命が決まってしまう」という理不尽がある。
「親ガチャ」という言葉が、今、若い年代に広まっていますね。
いい大学に入れるか、いい会社に就職できるかは、
生まれた時に、親の社会的地位とか、経済力でもう決まってしまう。
とある掲示板に、とある母親の嘆きが掲載されていた。
「一生懸命働いて、息子を医学部に入学させた。
ワンルームマンションも借りて、
息子は『お城みたいだ。お父さん、お母さん、ありがとう。』
と大喜びしてくれた。
でも、入学してみたら、周囲はお金持ちの子ばかりで、
すごい豪邸に住んでいる。
息子は、『自分ばっかりみじめだ』と不平を言うようになってきた。
切ない。辛い。」
読んでいる私も切なかった。
でも、結末で、ヒロインは決意する。
この状況で、私は這い上がってみせる。
夫の目に失われた光を、息子の目に取り戻してみせる!
とても勇気の沸く作品です。
ぜひ、ぜひお読みください。