羽田圭介の、芥川賞受賞作ですね。
Fランクの大学を出て、今無職で実家で行政書士の勉強をしている、青年が日々家で筋トレをして体を鍛えていくのが「ビルド」。
その実母である、自分の娘に怒鳴られながら介護されて
よたよたと生きているおじいさんが弱っていくのが「スクラップ」。
(だと、私は理解したのですが。)
実の子に罵られながら生きているおじいちゃんを憐れんで、
「もう、リハビリなんて言わないで、このまま弱らせて死なせてあげた方がいいのに」
と、主人公は決心して、
「じいちゃん、やってあげる。」「助けてあげる。」
と、「いい孫息子」を演じることで祖父の死を早めてやろうとする。
しかし、・・・
「あれ?どうして俺、じいちゃんを助けちゃったんだろう?
弱らせて死なせてやるはずだったのに??」
生きる意味ってなんだろう・・・と、
主人公が逡巡しながら旅立って行くエンディングは、
基本「Phantom」と同じ。
でも、どこかコミカルでおかしかった。
ネットで読むと、この作品には様々な解釈があるようです。
あなたの解釈はいかがですか?