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軍事用語に「 一般方向」というものがあります。
これは細かい経路は軽視し、
全体的方向性だけを重視する考え方。
どこをどう進めばいいか分からない中で、
疲弊の激しい軍が、
これ以上隊列を組んで進めば全滅するかもしれない。
こうした時は、
バラバラで
各自に行動した方が
生存確率は高いものです。
これは戦略と戦術に
置き換えて考えることもできます。
一般方向=戦略
今日、紹介させていただく本はこちら、
『最強の教訓!世界史/神野正史』
上杉謙信は、 一戦一戦には 軍神の如き強さを誇りましたが 、肝心の一般方向(戦略)に、 全く無頓着でした。
対する信長は、 若い頃から天下を見据え 、
常に「一般方向!京都!」 を見失うことなく、力を注いできたことで 、
たとえ勝率は悪くとも 、
それをカバーして余りある成果となってかえってきたのです。
こうして信長が、
一歩、また一歩と天下へ近づいていく中、
謙信は連戦連勝を重ねながら、
一歩も前に進むことなく、
ただ歳だけを食んでいったのでした。
「四十九年 一睡の夢
一期の栄華 一盃の酒」
上杉謙信が、
49年の歳月など、
本当にあっという間だなぁ、
という感慨を謳ったものです。
戦の勝率は振るわず 、
絶体絶命の危機に陥ったことも
一度や二度ではないけれど、
若い頃から「天下」への
"一般方向"を見失わなかった信長と、
戦には連戦連勝でありながら、
目先の戦勝に心を奪われ、
国力を分散させ続けた謙信との決定的な差は、もはや埋めようもないところまできていました。
どんなに優れた才も、
常に「戦略(一般方向)」を見据え、
それを有効に活用しない限り、
せっかくの才も空回りし、
時間の中に埋没し、腐ってしまいます。
しかし、その一方で才能豊かなほど、
その才に目を奪われ、
自分の犯している
致命的な過ちに気が付かないものです。
そして、気づいたときにはもう晩年。
謙信の人生は、
そうした教訓を教えてくれます。