蒼い鳥 その4 | iM@Sとかなんとか(仮)

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アイドルマスターSSとか駄文をのっけてます。←とか書いてても、ちっとも更新していないので「サイドストーリー」と言うタイトルはは取り下げました。最近のメイン記事はニコマスの紹介記事が9割を締めています。

「その1」 「その2」 「ある日の風景 その1」 「その3 1/2」 「その3 2/2」 「ある日の風景 その2 1/3」 「ある日の風景 その2 2/3」 「ある日の風景 その2 3/3」


 社長との話はスムーズに行った。千早の海外進出に伴うユニットの解散、そして再デビューの話には、渋い顔するどころか、むしろ喜んでくれた。本当に懐の深い人だと思う。
 ただ問題は春香だ。現在765プロに候補生はいないし、活動中の娘達もこれからだったり、やっと軌道に乗り始めたところだ。安々とユニットを組み直すことは出来ないというのは、俺も社長も同じ見解だ。ソロで売り出すにしても、正反対の方向性とは言え、千早と比較されることは目に見えており、余り良い効果は期待できない。
「それに、僕は春香自身にそう言う意識を持たせることは、酷じゃないかと思うんです」
「むぅ……。まあ、君がそう言うのなら、そうなのかも知れないね。ただね」
「ただ?」
「春香くんは、そんなに弱い娘なのかね?」
「それは……」
「まあ、結論を急ぐことはない。まだ時間はあるんだ。もう少し様子を見ようじゃないか」
「はい」
「そうは言っても、ドームライブ後の企画は見直さないとな」
「あ、その話なんですけど、僕はまだ聞かされてなかったんですが、どういう企画だったんです?」
「彼女たちの冠番組だよ。ま、深夜枠だがね。とは言っても、23時半から45分間の一社提供だよ」
「そ、それは、凄いですね」
「うむ、765プロ始まって以来の快挙だ。いや、しかし、こうなったからには、それも夢だったがね」
「すみません、折角のチャンスを……」
「君が謝ってどうする。それにもっと大きな夢が掴めるんだ。前を向こうじゃないか」
「はい」
「では、わたしは明日にでもテレビ局に行ってくるよ。社長のことはよく知っているので快諾してくるとは思うが……」
「やはり、現場ですよね」
「うむ。千早くんの話がどういう形で進行するにせよ、プロダクションとしての責任は負わねばならない」
「はい」
「そこで、忙しいところ済まんのだが、明日中に代替案を考えておいてくれ。書面でもデータでも構わん。先方に分かりやすい形で頼むよ」
「……わかりました」
「この業界はスピードが命だ。本来であるなら、明日赴いた際にでも提案しておきたかったところなのだが……」
「色々ワガママ言ってすみません」
「ま、今回ばかりは致し方がないさ。━━━━それでは早速で悪いが、頼むよ」
「はい。失礼します」
 代替案……か。さて、どうしたもんかな。とりあげらるかどうかは分からないが、実のあるものを考えないと。とりあえず、構成作家に何人か電話してみるか。
 と、ドアに手をかけようとした時、
「あー、それともう一つ」
「はい」
「千早くんの件だがね。うちはアイドルのマネジメントは出来てもアーティストの実績は皆無だ。ましてや市場は海外」
「はい」
「そのことは、心に留めておいてくれ」
「……分かりました」

 ふぅ……。
「あ、プロデューサーさん、少し良いですか?」
「あれ? 小鳥さん、まだいたんですか? もう21時廻ってますよ?」
「ええ、ちょっと仕事を溜め込んでしまって。━━━それで、この請求書なんですけど、スタジオ収録時の代金が入っていないのですが、このままでも良かったんですか?」
「ああ、すみません。それはそのままで。そこだけプロモーションになるんで、レコード会社負担で廻してあります」
「わかりました。あと、これが先週の伊織ちゃんの業務実績です」
「え? もうやっちゃったんですか? 悪いなあ……。じゃあ、早速チェックさせて貰いますよ」
「プロデューサーさんこそ、明日でも良いじゃないですか」
「いやあ、明日は立て込んでまして……。今日のウチにやっておきたいんです」
「そうですか……。でも、くれぐれも、無理はしないでくださいね?」
「ええ、大丈夫です!━━━━それにしても、小鳥さん」
「はい」
「律子が抜けてしまってから、やっぱり一人はきつくないですか?」
「ええ。でも、もうすぐ新しい人が来ますから。それまでの辛抱です」
「あ、そうなんですか。それは良かった。それで、どんな人です?」
「とっても綺麗なひとですよ」
 いや、容姿じゃなくて……。ま、いいか。
「しかし、あんまり綺麗だと、また社長がアイドルにしたりしませんかね」
「それは、大丈夫だと思いますよ」
 なら良いんだけど……。
 さてと。
 仕事にかかろうと机の上を改めて見てみると、妙な筆致のA4サイズの紙が一枚……。
「なんだこりゃ? ……亜美と真美の世界征服計画?」
「あ、ごめんなさい、すぐに片付けます」
「なんです? これ」
「落書きですよ。もう、あの娘達ったら」
「おー、似顔絵付きか。なになに? 亜美が大王で真美が魔王? で……真が地獄の騎士で雪歩がお茶くみ係。んで、伊織が意地悪な魔法使いってか」
 他にも765プロの全員にキャラクター付けがされていて、
「って、なんだこれ? 俺は門番って、キャラ薄いなあ」
「うう……、プロデューサーさんはまだ良い方ですよ。わたしなんて窓口係なんですよ?」
「それを言ったら律子なんてもっと非道い。鬼嫁って、もう世界征服関係ないじゃないですか」
 律子のイラストは、目をつり上げ角を生やし、牙を剥いている。しかも、ちょっと怖いぞ、この絵は。俺のマル書いてちょんが可愛くみえるじゃないか。これは律子が見たら大変だな。ただじゃ済まないぞ。
「すみません、プロデューサーさんの机で遊ばせてしまって」
「いえいえ、構いませんよ、これくらい……!。これは……」
「ど、どうしたんですか?」
「これは、上手くすると上手くいくかもな……」
「え? あの、プロデューサーさん?」
「小鳥さん!」
「は、はい!」
「ありがとうございます! 机をそのままにしておいてくれて!」
「は、はあ……」
「社長!」
 これでテレビの件はいけるだろう。確信を持って俺は、社長室のドアを叩いた。


蒼い鳥 番外編 少しだけ未来のお話 - Christmas For You -