何年か前に、ヤンキー先生というものが流行った。僕はこの言い方が大嫌いである。そんな自分の黒歴史を肩書きにして、恥ずかしいとは思わないのだろうか?

つい最近もこんなことを言われた。


元ヤンの魂で病に立ち向かえ!


申し訳ないが、内心ゲンナリしてしまった。ヤンキーという語感に毒され過ぎている。

元ヤンは根性があるなんて迷信も甚だしい。その時その時、やるべきことをやらずに、嫌なことから逃げた結果がヤンキーであり、かまってちゃんの成れの果てが非行であり、屈折した自己顕示欲の成れの果てが暴走族である。

言い換えれば、むしろ根性なしの典型、それがヤンキーだと僕は経験上思っている。


こうやってヤンキーを否定すると、今度は、例えば彼の家は母子家庭だからとか、家が貧しいからなどと、本人の行いとは関係がない事情を持ち出して、理解者のような顔をする者まで出てくる。

それは、母子家庭でも父子家庭でも立派にやっている人や、貧しくてもそれを受け入れて前向きに生きている人に大変失礼というものだ。


「俺は本気でぐれてた」などと、ゴーストライターに書かせた本まで出して印税を稼いだ、自称元ヤンの某予備校講師もいる。

もう一度言うが、ヤンキーなど単なる甘ったれ。そんなものに本気も何もない。だいたい、本来ならかけなくてもいい迷惑をかけていたことを自慢する神経がわからない。

ヤンキー先生=単なるボンクラがやっと普通の仕事をするようになったというだけのこと。それだけの話を、なぜそんな偉人面して話せるのか、理解に苦しむ。


そんな人間より、時を同じくして、嫌いな勉強も我慢して真面目にやり、結果として優秀な成績を修めていた同級生たちのほうがよほど根性があるし、かっこいい。


元ヤン魂で病に勝つことなんてできません。そんなくだらない励ましは二度としないでくれ。