ご飯の支度の私の装備。
チェック柄の綺麗なエプロン。
私の母が作ってくれた、
一番大切なたからもの。
今日は何を作ろうかな。

彼はというとCMの、
ビキニの女の子を見て、
鼻の下を伸ばしている。

「なに食べたい?」

答えが返ってくるはずもないけど、
一応訊いておく。
案の定、彼はその顔を、
キープしたままだった。

何か思い出したように振り向くと、
「見せたいものがある」と一言言って、
またテレビに視線を戻す。

まぁ、彼にとってはご飯なんて、
何だっていいのだろう。
彼は私の手料理を残したことも、
おかわりしたことも全くない。


……食べないよりはマシだけど。



今日はオムライスにしようかな。
確か父の大好物だった。
ケチャップで彼の顔でも描こう。
私の画力は人並み以下だけど、
喜んでくれるかな。
彼の言ってた見せたいものが、
何なのかしらと考えながら、
ご飯の支度に取り掛かる。

外からは車の走る音がした。