護摩とは不動明王を御本尊とし、その前に壇を設け色々な供物を捧げ、護摩木という特別につくられた薪を焚いて不動明王に祈る真言密教の秘法です。
護摩の火は不動明王の智慧を象徴し、薪は煩悩を表わしています。護摩の儀式を通じて僧侶は薪という煩悩を不動明王の智慧の炎で焼きつくし、ご信徒と共に清浄なる願いとして高まり成就することを祈ります。これを形に現わしたものが護摩焚きです。
元来、密教の護摩炊きをするに当たり、僧侶は数多くの苦行を経験し、自らの霊的能力を高めてきました。しかし、今の時代はそういう厳しい修業を得ることなく、護摩行自体が形骸化してしまっています。
護摩焚きさえお願いすれば、お悩みが解消され、願望成就されると言う考えを持たれることはすごく危険は考えです。お金だけ払って気休めだけ得る。結局は何も起こらなかったというケースを多々耳にします。
人の念の力(実際には、念の力に加えて必要な要素があります。)には未知の力が潜んでいることは間違いありません。しかし、それを活用する能力には個人差があります。護摩焚きをお願いする場合も、むやみやたらに信じ込むことのない様にして下さい。殆どの護摩焚きには力がありません。形骸化した儀式と言う捉え方が妥当です。
力のある護摩焚きは、霊能力を極めた僧侶により行われることが絶対条件になります。しかし、日本でも数名の僧侶(阿闍梨)のみですが、一般の方は殆ど出逢うことはありません。そのことをしっかりと御記憶下さい。 (出典)