nugroho dwi hartawanによるPixabayからの画像
妄は、妄想・妄信・妄動・妄執・妄念などの妄です。幻の様に実態のないもの、嘘偽りなどの意味があります。
妄の心理で強引に進めば、必ずその人には災いが起こります。宗教などを妄信した結果、家も財産も全て失ったりします。いつも妄想ばかりしていれば、マイナスの現象を引き寄せてしまいます。
今、問題になっている自称霊能者問題も同じです。「人は信じたいものを信じる」のですが、それが過度になれば妄の心理になります。
易の言葉にも、天雷无妄(てんらいむもう)と言う言葉がありますが、人生で言うならば、基礎がなく、幻のような実態のないものの意です。人の心をもって言うならば、嘘偽りの心を指します。
ところで、妄は一見して、我々とは関係がない様に見えますが、現在の世の中そのものの様な気がします。今の日本の政治も妄の状態です。世の中を良くしようとする改革の精神はどこに行ってしまったのでしょうね。現在の政治の推進力は利権にしかなくなってしまったのも実に嘆かわしいことです。
しかし、我々の人生は、しっかりとした基礎の元に築いていくべきです。その基礎の根本になるのは、人の心です。心がしっかりとしていたならば、妄に陥ることもありません。何が本物かをいつも見極める力を育てる日常的な視点と、足元をしっかりと固めたコツコツとした努力が我々の基礎を作ります。 (出典)