かつで大騒動となったトリカブト保険金詐欺事件は犯人の死亡で、真相の多くが葬られている。
関係者の執念によって完全犯罪は崩され、暴かれたのだが、過去を振り返ったネットの記事をみると

推理小説を読むが如く

みな同じ方向を向いていて不可解だ。
人が死んだ、これは醜悪だ、真相はこうだ、犯人はこういう人だった。完全犯罪を崩した執念はすごい。
ちゃんちゃん!

でもね、
彼が何故このようなことをしたのか?
情報をどう入手したのか、単独犯なのか?
どのように犯行を組み立てたのか?
なぜ彼は開き直っていたのか?

そこを解析し、まとめて置かないと、防止策が打たれないまま、また犠牲者が出てしまう。
このことは、数十年、放置されている。
(当時も降りなかったが、保険金が降りないような措置は強化されているが、そこだけだ。)
推定であるが、状況を明確にしておく。
スルーされているテーマが満載だ。

1、人格と動機
 父親が学者(工学)だったので論理思考の才能を受け継いだが、これが仇となった。
また、犯行をほのめかす、手口をひけらかす態度はどうみても

学者バカ

のパターンだ。才能はあるが、世間知らず。自己の発想が絶対だと思いこんでいる。
(世の多くの学者は正義感を持ち、理性的に真剣に取り組んでいるが、識別が難しく何処かおかしな奴が紛れ込んでしまっている。)
両親はいたが、両方とも疎遠な関係を強いられた。
もうこういう人たち(男女とも)は信用できないと意識するだろう。殺意を通り越した境地に達してしまう。孤独に空を見上げ続ける。
頼れるのは自分の信念だけ。
で、その態度では普通の人は寄ってこない。
(利用しようとする人は寄ってくる。ここが気になる。)

また、生活に困ることになるから金に執着し、その額の多さに自己実現とアピールを込めることになる。
(億単位の金は生活には多すぎるが、多ければ良かったのか?「仲間」に配って評価してもらおうとしたのか?)

で、どういうふうに考えていったかを辿る。
金を獲得する方法の選択だが、当時流行っていた保険金詐欺が魅力的だったのだろう。
(リードしてくれそうな文章はこれを加速するが、推理小説好きだったかは本人に聞かないとわからない。)
で、学者バカが炸裂する。

完全犯罪

その完璧なトリックを組むことに学者的血が騒ぐ。
(思い込みも強かっただろう。これで俺は凄くなれる。)
人が死のうが未練もモラルも無い。意識に障害がなくなっている。
(何処かWinny開発者にタイプが似ている。)

2、情報
 どうやって入手したのか。
完全犯罪は毒殺だ、には容易に辿り着く。また猛毒は何か、にも一般書籍で容易に辿り着く。
(職を転々とする間に、詳しい者に出会ったかも。
その方が早く話しが進むが、いたのか?趣味が合う奴とか。)

トリカブト(当時は知られていなかったんだけど)
そして
フグ毒(わりと知られている)

さて、この2つによる中毒の症状は明確になっていて、
(普通に発想すると)個々に使うとすぐバレる。
何らかのトリックが必要だ。
誰かの入れ知恵の線は捨てていないが、2つの毒物の毒物の特性を調べていると異なる特徴があることに気づく。

トリカブトは即効性
フグは遅効性

おや?効き方が違う。もしかすると両者を同時に使うと、

「効き目の速度を調整」

できるかもしれない。学者肌の発想だ。
で、これがトリックに(アリバイ)に使える。
普通は毒殺は一種類の毒物を使う。みんなそう思い込んでいる。
完全犯罪のシナリオが見えてくる。
(研究者レベルの知り合いがいたのなら、裏付ける論文を手にできたと思う。2つの毒物が相互作用で毒の効く時間を遅らせる。)

3、準備
① 毒物入手と効果検証
 ここまでわかっても現物がないと、進まない。
 トリカブトとフグ。
 園芸店と漁港に行けば手に入るという情報に辿り着くのは容易ではない。インターネットが無かったから。
 で、謎なのは、電話かけまくったわけでもないのに、特定の店舗(それも福島の山奥)、漁港(なんでその漁港なの?)に直接行って、入手できている。何でそうピンポイントなことができたのさ。
しかも大量に入手。
誰に聞いたの?
(何故大量に必要だったのか?収率が低いからという情報をどこから入手したのか?
まあ、執念深く水道、電気を大量に使ってやれば結果的にそうなるが。因みに異常に水道代、電気代が多かったことは大家に察知されていた。)

次に抽出方法。
研究所にしかないエバポレーターを使っている。高価で特殊な装置だ。
この装置の存在は紹介してもらわないと知り得ない。また業者を知らないと入手できない。仕事を転々としながら知り得た?
使い方は簡単なので水と電気とトリカブトとフグがあれば、抽出できる。
抽出にはたぶんお湯に根っこなどを漬け、溶け出したとこで、エバポレーターでお湯をゆっくり蒸発させていく。フラスコの底に結晶が微量に残るはず。
さらに、
ラット実験を行っている。量と遅延時間を確認するためだが、手に入れにくいラットを何処から手に入れたのか?
そして、
テレビの再現映像では、この毒物は透明カプセルに入れられていた。正確な再現と思っているが、
カプセル自体も特殊なものなので、どうやって入手したのか?(市販薬は容易に手に入るがカプセルは着色されている。)
(当時の環境で取り扱っていた業者を取材してほしい。)

② ターゲット選定
 何故その女性にコンタクトできたのか?
3人目は水商売の女性。母親の姿からその情報を得ていたのだろう。ここに行けば見つかる。
話し上手だったのは母譲りの才能だったかもしれないが、普通は引っかからないところ、信じやすい人は何故かいる。
どうやって探しだしたの?誰に聞いた?
(経験的に言うと、確率は低いがいる。驚くべきことだが。そういう人に出会うと心が痛くなるので逃げ出すのだが。スタッフはトレーニングしてほしいものだ。)

どうも第三者の匂いがするのだが。

保険会社一社なら悪人の犯行だが、5社に保険契約を結ぶのは、バレバレなので普通の悪人はやらない。
それを実行するということは、

悪人の意識があっても、せっつかれている場合
(映像を見るに、悪人の表情ではない。)
常識がまったくない場合
(社会生活できていたから、これはなさそうだが)
完全に洗脳されコントロールされている場合
(目に膜がかかっているような言動)

どれに当てはまると思いますか?
すると、、、

もう一度この事件を検証してほしい。
今の時代、インターネットで容易に進めることができてしまう。より強固な防御体制をとってほしい。
ネット書き込みを人工知能解析すると、事件の前兆を察知できるのでは?