歴史には多くの天才の功績が記録されている。才能は全ての原動力だが、天才が世に出るには、その才能を見抜いて支援する人々の存在が必須だ。
才能はオールマイティーではなく偏在していて、社会に受け入れさせるには多くの他の才能が集結する必要がある。

現在の日本アニメは世界に評価され、新たな思想になっていくと思っている。ただのキラキラした動画では終わらない。日本語を覚える、日本に憧れるきっかけになっている。駆け込み寺にもなっている。
自分は「鉄腕アトム」の初回放送からライブでアニメを見続けているが、確かに手塚治虫の

漫画の電子化

が偉大な功績だ。
確かに絵を高速で書きまくり動画にし、毎週放送、
192話を作りきるのは狂気だった。
(労働環境は最悪、常に崩壊寸前と言われてきて、やっと改善の兆し。赤松さんに期待。)
が、これが世界への扉を開いた。
(アナログ地上波→デジタル化→インターネット)
(スタジオ赤字→版権投げ売り→ヨーロッパで放送→それを見た子どもたちが大人になって評価し始める)
で、才能よりもビジネスネタとして選ばれたアニメのテレビ放送であったけれど、
(後発のフジテレビはウリとしてアニメに賭ける)
多くの人々の努力でアニメは今も放送され続けられている。

さて、アニメの電子化とそれをバックアップする放送局の関係を客観的に見てみると、その構造の特徴は

誰でも頑張れば作れる

という道筋を提示したことが重要だ。(それが世界発信へと繋がる。インターネットの先駆けといえる。)
既に大手集団、東映動画は起動していた。
放送局自体も映画業界に挑戦する形であったが、この流れは留まることなく、映画を凌駕していった。(映画は滅んではいないよ。独特の映像表現だ。)

長かったけれど、これを理解した者が生き残り、成功を収めると思っている。
(理解できる者を組織内に取り込めた集団も。)

で、ガイナックスを見てみよう。
明らかに近年の傲慢なとこが崩壊の原因と思うが、以前からそういう気配はあったから、危なっかしい組織だなと思っていた。
(幹部の発言がどうも高飛車で、大丈夫?
「プリンセスメーカー」1万5千円の根拠が、
「良いものは高くて当然!」)

大阪アニメコンベンション(通称、ダイコン)で名を上げるアニメ制作集団を母体とし、岡田氏がメジャーを狙って、単独で乗り込み、玩具メーカーの社長を口説き落として「オネアミスの翼」放映に漕ぎ着けるが、好きに作り過ぎて惨敗。
(ライブでみたが、世界観がマニアック過ぎ。展開が客観的過ぎ。主人公の動機が不鮮明。)
「不思議の海のナディア」でサービスサービス、
何とか地盤を作る。彼の努力と支援者という構図は鮮明「だった。」
(内情が変わるが)
「新世紀エヴァンゲリオン」はそれを不動のものにしたが、(バブル崩壊後のリアリティは強烈。ただ「たまたまヒットした。」以前の話しだが、庵野のセンスは時代とシンクロしていると岡田氏が言う。)
(もともと才能を評価されていたが、その庵野さんも宮崎駿にしごかれたという。開花したのか?
巨神兵の不気味で強烈な動きはエバに引き継がれる。)

当時まだ、あまりライバルがいなかった
アニメを気合い以外で作れる手法が無かった
そして好事魔多し(岡田氏の評価とアニメ作品の評価を
自分たちの評価だと勘違いした(稼いだ金は俺のもの)、などなど)
で、岡田氏の退社
(庵野さんには、その才能が無かった。客観的視点はあったが、それをゴリ押しし、地ならしするパワーとアイデアを開拓できなかった。)
それと、バブル時代の実績は忘れられない?

で、絵が古くなったことに気づかなかったこともあると思う。ここ15年くらいで支援ソフトのお陰でキャラクターデザインの研究が急激に進み、ファンサイトを中心に評価文化が確立していった。人気の中心が移り変わったと思う。
(昔のアニメの方が表情表現が優れてると思うが。
「ダーティペア」は素直に笑える。
なお、老舗であっても新しいトレンドを取り入れ、アニメ制作を行っているとこも多い。組織ごと丸買いかも知れないが。)
(最近のアニメは教科書っぽくなってきて、この流れを
ちゃぶ台返しできる集団の登場を期待する。)

才能とそして情熱は原動力だ。
ただ、それを成功に繋げる猛獣使い的才能(交渉と舵切り)と支援者との出会いはさらに重要だ。
これを知らないと理解できないと俗っぽく自爆する。
どことなく関西ならではの視野の狭さも垣間見える残念な結果だったようにも見える。

なお、これは会社経営の話しとしておこう。所属する才能は移動すればチャンスは無限だ。そこは分けて個人個人を評価してほしいと願う。
今後、日本を救える貴重な人材群だから。

(ソニーの β方式録画機は崩壊寸前の企業が繰り出したVHS技術に破れた。
(困難と言われた機構を実現)支援者多数。

13社連合のVHD方式映像ディスクシステムは、
1社の新方式レーザービジョンに破れた。
(巨大な試作機の小型化に成功)
国民が映像の美しさと光方式を支持した。)

(日本アニメの評価は映像もさることながら、文化と思想にある。中国人は夏祭りに憧れ、海外のコスプレーヤーはそこにある安寧の世界観を感じとっている。
(かつてのカウンターカルチャーではない様相。)
アニメ開発ももっと日本を研究してほしい。世界的競争の時代に生き残るために。

作者の意図とは異なるかも知れないが、

「かんなぎ」は不明確な空気のような神の存在と存在感を表現している。主人公ですら理解できていない。
その安寧の形は精霊崇拝思想そのものだ。

「Happy world 第三巻」では、
心疾患のある子が自分の意思で体育会に出場し、
トラックを1周する姿を描く。達成感が最優先だ。
(新型の伸びるパッチが発明された。これからは、偏見や葛藤が少なくなる時代がくるはずだが。)

「ひげを剃る、そして女子高生を拾う」では、
親の抑圧から逃げた子の成長と、自力で問題を解決しようとする姿を描く。

大人たちが思い込んでいるズレた価値観に翻弄される

個の葛藤

に光を注ぎ込む。)