昔から映画が好きで、恥ずかしながらラブストリーやヒューマンストーリーが好きです。映画を観た後に原作を読むという事が多いです。


『in Her Shoes』は対照的な姉妹を描いた作品です。原作はジェニファー・ウェイナーのベストセラーです。

姉のローズは30を過ぎて弁護士として成功を収めているが容姿がコンプレックスになって恋に臆病になっている。姉とは対照的な妹マギーは、スタイルも美貌も持っているが仕事もなく住まいもなく姉のところに居候で、難読症というコンプレックスを抱えている。


そんな2人にも共通しているのが靴のサイズ。ローズはヒールも美しい靴を買っては1度履いて仕舞込んでしまう。そんな姉の靴を履きこなしてしまう妹。

妹マギーは姉の彼氏を誘惑して楽しんでしまうが、そんなところを姉に見つかって家から追い出されてしまい、仕方なく祖母が暮らす施設で働くことになる。そこでマギーは家族の絆を教わり、そして盲目の老人から読書の楽しみを教わり、やがてマギーは姉ローズに自分の気持ちを告げ、2人は家族の大切さを思い返す。


一番好きなのは、マギーがローズの結婚式でE・E・カミングスの詩を読むシーンです。難読症というのは先天的に文字を理解していても口に出して読むことが出来ない難病です。ソネット形式のモダンな韻を踏むカミングスをそんな難病のマギーが読む。“I carry your heart with me”は僕も好きです。


僕にも年の離れた兄弟がいますが、相容れることが出来ずにここ何年もまともに会話していません。いつか縁側で茶が飲める位には関係回復したいです。



栗本薫さんの東京サーガ最終巻『ムーン・リヴァー』は自分にとって最良の時期を選んで読むつもりでいた。
だからこそ買って1年の間開かずにいた。秋の冷たい風と薄暮に陰るこの時季にならどんな結末も受け入れられるだろうと。

とはいえ、『ムーン・リヴァー』に向かう事は怖かった。最終巻であることが怖かった。
前作の“嘘は罪・上下”の巻末に島津の死の知らせを見つけた時はショックで購入を躊躇した。

僕は主人公・森田透より島津正彦のほうが好きだ。皮肉屋で貴族的な容姿にシニカルな笑みで隠した渇望と苦悶。見世坊の彼が好きだ。
その彼が作中とはいえ死んでしまうのは悲しい。彼の最後を読んで空っぽになってしまうのが怖かった。

だが、読み終わっても空っぽにはならなかった。かわりに今とても満たされている。喪失感を上回る満足感は何故だろう?

『ムーン・リヴァー』の装画は吸血鬼ハンターDなどで知られる天野喜孝さん。紫がかった青の中に妖しい瞳で此方を見つめる少年とも青年ともいえない人物が幻想的だ。

あと少しで玄冬素雪の季節になる。またその頃に読み返そうと思う。
また違った胸の痛みに苦しむだろうけど…。
大学でいきなり
「お前は日本人か?」と聞かれ、
「近いが、ちょっと違う」
と返したら
「俺はユキオを愛してる。この想いを伝えるにはどうしたらいいんだ?」
と言われた…。

「ユキオとは誰だ?」と聞いたら、
「お前日本人のクセにユキオ・ミシマを知らないのか!」
と怒られた…。

知らないわけないだろ!でも、あの有名な作家をファーストネームで呼ぶ奴がいるなんて思わないから分からなかったんだよ!
しかもお前、誰だよ!
と逆に怒ってやりました。

彼は大学で日本語を勉強中のフレッシュマン。普段講義では俳句や盆栽を習い(ホントに盆栽の講義あります) ジムで柔道を鍛錬し、正統派日本マニアとネットで語り合うという自称日本通だそうです。(自分で言うなよ、と聞いてて笑えましたが本人は至ってマジメなので)

最近の日本通を自称する外国人はオタクばかりで(漫画オタク)真に日本文化を理解しようとする奴がいないと彼はその後2時間語り続けました…。

で彼が愛する三島由紀夫ですが、英語版の『金閣寺』以来彼を神と崇め、手に入る英語版三島作品を集めに奔走し、日本語で原作を読む為に日夜努力を怠らないそうです。(運動部系熱血青年の勢いに押されて大変でした)

とはいえ僕も三島作品と出会って早20年。日本以外の国でこんなにも三島作品に感動してくれる若き青年と出会えて嬉しかったのでしばし彼の“愛 love ミシマ”に付き合って、彼の間違った知識や思い込み偏見、日本語の間違いを厳しく指導してやりました。
ちなみに彼はゲイではないそうで、最初の「彼への想い」は尊敬の意味だそうですよ。僕をフレッシュマンの仲間だと思ったという生意気な「のクセに知らねぇのかよ」は実年齢を教えてビビらせてやったので今は止しとします。
もっと鍛錬せい!!と言ってやったら懐かれてしまいました。困ったなぁ…。