手の平にナイフが刺さりました・・・。1.5cmほどの深さでしたがほとんど出血しませんでした。が、縫ったので動かせません。誤字があるかもしれませんがお許し下さい。(たまねぎの芯を取っていただけなんですが・・・)

おかげで仕事をどうどうとサボれます。そしてそういうときにするのは読書です。


以前から書いていますが、僕はハードボイルド小説が好きです。だからでしょうかね、タイトルでジャンルが分かる事が多いです。今回手に入れたときも内容を知るよりも先にタイトルで手にしました。『野良犬の挽歌』ってネーミングも正にハードボイルドの風格を感じますね。


主人公は車を使った運び屋。それも訳ありのやくざが専門。“ポリシー1,殺しはやらない。ポリシー2,人間以外は運ばない。ポリシー3,車の中で煙草を吸わない”その中で仕事を実行する。

スーツに気を遣い、いつだって煙草を手放さない。ハードボイルドの主人公の大半が煙草を愛用しています。いわばトレードマークですね。この“徳永”と呼ばれる主人公も愛煙家です。


真ん中ぐらいまで呼んで登場人物が増えるにつれて誰が誰だか分からなくなりました。名前がある人物達がみんな名字なので増えるにつれて混乱して、そこから関係図をメモしていました。諜報員や潜入捜査員は特徴のない行動や言動をする訓練を受けているからでしょうか、小説上でも鍵になる人物なのに目立たないので読み手としては困ってしまいます・・・。


展開は意外な人物の一言で終焉を迎えることになります。勿体ぶったという見方も出来ますが、僕には最後の最後まで謎が残った方が展開として好きなのでとても嬉しかったです。


車の趣味や運転中の曲の選曲が現実的すぎる気がしますが、それも「身近な現実」の演出なんでしょうね。







アンソロジーというジャンルは日本独特のもののような気がします。海外ではあまり見かけません。(ただ僕が気がついていないという可能性はあります)

著作権や肖像権など、出版物に対する法律が厳しく規制されているからでしょうが、出版社同士の相互性もないからともいえます。


友人で日本に数年住んだことのあるモンキー・パンチの大ファンの男は、アニメ“ルパン三世”が大好きでDVD、テレビ版全作、フィギュア、ポスターなどグッズも沢山持っています。あまり本は読まない男ですが、ルパン三世に関する本なら熱心に読むと言うんですからちょっと病的な気がします。良い奴なんですけどね、ルパン三世が関わらなければ・・・。


彼の本棚から拝借してきた二葉書房出版のアンソロジーに並んだ作家名は錚々たるものです。大沢在昌、新野剛志、樋口明雄、光原百合、森詠。この五人の競作はずいぶん思い切った企画だと思いました。

それぞれの文体や構成の独自性を残しつつ、原作でも濃いキャラクターを持っているルパンや次元、不二子に五右ェ門と銭形警部を動かすのは至難の業でしょう。そう考えるとアンソロジーは制約の多い仕事といえますね。


短編集ですからあっという間に読んでしまうことが出来ます。難しい言い回しも表現もありませんから中学生くらいの若い人も読んでいただきたいです。

ただ、1つだけ・・・五右ェ門は“やばい”という言い回しはしないかもしれません。そこだけが最後まで違和感として残りました。



今日がNHK放送の坂本龍馬の最終回だと教えてもらったので、同時代に活躍して、若い女性陣に人気が高い沖田総司を題材にした小説が読みたくて本棚を漁ってみました。


『総司炎の如く』は司馬遼太郎を研究していたという秋山香乃さんの作品です。検索してみたら新撰組の熱狂的ファンの間では知られた作品のようですね。良い作品だからというので貰った本ですが、一度流し読んだだけで本棚に仕舞われてました。改めてじっくり読み返して、万感の想いです。


京都での学生時代から、なぜこんなに新撰組、というよりは幕末の男達に人はこんなに惹かれるのか、その疑問が残っていました。京都といえば幕末の志士たちが活躍した土地ですから、ちょっと細い道を入ってみると勤皇志士の寄り合い所跡なんて石碑を見つけられます。(実際池田屋跡地や屯所跡も行きました)

学生の中には大の新撰組ファンという子もいて、熱心に語られる度に何がそこまで惹き付けられるのか不思議でした。


不思議や疑問、謎には徹底的に向き合う。元・研究者であった父や祖父の育て方は解決の糸口は身近な所にあるもの。そして徹底的に資料を読み込め、というものでした。その頃は手に入る資料が少なく、また周囲でも感情論ばかりで史実をなぞって語ることの出来る人はいませんでした。そして、僕の方でも解明に向かうだけの熱意が足りませんでした。


でも、この『総司炎の如く』で片鱗を見たかもしれません。単純故に純粋な、侍の矜恃と刀への志、時代の流れへの葛藤。そして人間ゆえの苦しみは現代に生きる者には欲しても得られぬ熱情です。


坂本龍馬然り、沖田総司然り、そのまっすぐな生き方が人を惹き付けて放さない魅力なのでしょう。とても人を熱くさせてくれる本です。