戦後まもなくのこと。
ひとりの青年が、ある会社に就職した。
しかし、その会社はずっと赤字が続き、
ついには給料が遅れがちになり、
労働組合はストを繰り返す。
同期が一人二人と辞めていき、
とうとう残ったのは彼ともう一人。
「ここにいたらダメになる…」
会社を辞めよう。
青年は自衛隊に入ることにし、
幹部候補生学校に合格。
あとは手続きだけ。
その手続きのために戸籍抄本を送ってもらうように実家に頼んだ。
数日後、兄から手紙が届いた。
やっと来たか…封を切って中を開けると、
入っていたのは戸籍抄本ではなく、一枚の手紙。
「貧乏な家のために頑張ってくれるだろうと考えて、無理して大学にまで行かせたのに、働き出したとたん、会社の悪口を言って辞めるという。
働くところもないお前を雇ってくれた会社に、何の恩返しもせずに辞めるとは何事か!」
えっ!?
もう一度読み返す…
何の恩返しもせずに辞めるとは何事か!
青年は腹をくくった。
どうせ行くところはない。
愚痴を言うより一生懸命にやってやろう。
まず布団を会社に持ち込んだ。
炊事道具も持ち込んだ。
そのうんざりした会社で
寝る間も惜しむほど仕事をするために!!
新しい商品の研究開発を任された彼は、
面白いことにいい研究成果がいくつも出てきた。
成果が出ると上司に褒められ、
だんだんと仕事が楽しくなってくるのを感じた。
一生懸命にやるとうまくいく。
うまくいくと褒められ、仕事が楽しくなる。
仕事が楽しいともっとがんばれるので、もっとうまくいく!
こういう繰り返しが人生にとって最も大事なことなんだ!!
これが後に
京セラという会社を創業し
グループ全体で売上高1兆2000億円を作りあげた稲盛和夫氏の25歳の頃の話である。
(参照:必ず夢は実現する 京セラ 一筆入魂しもやん通信)
稲盛さんの運命の扉は、
そのうんざりした会社にあったんです。
もし、いまの環境に不満があるとしても、
その環境を作ったのは自分自身。
いまの環境から逃れられたとしても、
環境を作った自分自身が変わらなかったら、
また同じような環境を作ってしまう。
いま、ここ。
自分の置かれているここ。
いま置かれてる環境でベストを尽くす!
道はそこから開けることを稲森さんから
学ばせていただきました。
…どんな気付きがあったでしょうか??
こういう話は学校で
教わりたかったなぁ~と思います。