取り崩し期にリスクを本当に取れるのか?
運用しながら取り崩しをシミュレーションすると、簡単に、

・資金1,000万円を
・リターン7%で運用しながら
・毎月8万円を取り崩した場合
・18年1カ月受け取ることができます

という試算ができてしまいます。シミュレーションと言いますか、ただの計算結果なのですが、これは非常に危ういと感じています。
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パッと図を見た場合、赤色の増えている線に目がいくと思いますが、これはこのファンドにおいて運用成績が上位5%に該当する時、つまり本当に運よくいった場合の試算になります。老後の運用にそんな奇跡を求めるのは止めましょう。続いて、水色を見てください。水色は下位30%、うまくいかなかった場合の試算になります。11年少しで資産が0と、枯渇する結果となっています。



 3割もの人が想定(18年)より7年も早く資産が枯渇するかもしれない投資、しかも上位30%であっても、お金が減らないとまではいきませんので、取り崩し時期の株式だけへの投資は割に合うとは言い難い、危ないものと感じていただけたのではないでしょうか。

それではバランスファンドはどうだろうか

次は株式への配分が30%、債券の配分が70%のバランスファンド、いわゆる安定型のあるバランスファンドの数字になります。

先ほどと同じように、65歳から1000万円を運用しながら受け取った場合をシミュレーションしてみます。3.7%で運用しながらですと、毎月6万円を約19年間受け取りできる結果となります。7%で運用した場合は毎月8万円でしたので、2万円ほど少なくなっています。想定するリターンが低いので、当たり前ですが毎月2万円少ないというのはかなり残念な気持ちになりそうです。

ですが、ご覧ください。下位30%の水色の線であっても、17年以上枯渇しない試算結果となっています。株式のみで投資した場合が11年でしたので、かなり運の要素が減っているのではないでしょうか。みなさんはどちらがお好みですか?
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積立期や、資産形成期には、リターンの低さから敬遠されがちなバランスファンドも、引き出し時、とくに確定拠出年金の受取時に商品選定をする必要もありますので、非常にいい選択肢ではないでしょうか。

今回は、資産形成期とは違う切り口から安定的なバランスファンドの良さにせまってみました。取り崩し時は、何歳まで元気かなども分からず難しいところはありますが、リスクを抑えつつお金にしっかり働いてもらってほしいと思いますので、本稿を参考にいろいろ考えてみていただければと思います。
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だそうですが

「取り崩し時はバランスファンドが良い」という結論をグラフで示したいが為に、運用資金を1000万円にしたり、バランスファンドでの運用受け取り金額だけを月8万円→月6万円に下げたりと、ちょっと卑怯な手を使ってると思います(1000万円ではなく1億円運用なら7%運用18%リスクで毎月8万取り崩しても資産は長持ちします)

現在の国内金利環境(ほぼゼロ金利で債券価格は下がるしかない)と、金利平価説を考えれば、国内外の債券を今持つのはハイリスク&ノーリターンでしかないので、日本国債の金利が1%を超えるまではバランスファンドを含む債券投資は投資対象にしないほうが良いです

 

,,,てなこと書いた7/2の記事で10年債1.1%越えだそうです

バランスファンドをお持ちだった方は債券価格下落で大変ですね(;'∀')

 


また、価格変動リスクを抑えたいなら商品でリスクを抑えるのではなく、購入金額で資金全体の価格変動額をコントロールすれば、稼がない資産部分になで信託報酬を払わなくて済んで合理的です

それに、現在の金利上昇(債券バブル崩壊)が予測される市場環境において、債券アセットに個人が投資するなら「個人向け国債変動10年」にすれば、金利上昇に66%で追随するので「配分が30%、債券の配分が70%のバランスファンド」を買うよりも、資金の30%を全世界株インデックスファンド、70%を個人向け国債変動10年にすれば、コストを抑えて、債券バブルにも対応したバランスファンドより優れた資産運用が出来ると思います