住宅は人生の中でも非常に大きな買い物の1つですが、購入するという決断に至った最も大きな理由は何でしょうか。一番選択された理由は、「自分の住宅を「保有」することが夢だったから」の16.4%、次いで「賃貸の家賃を払うなら、自分のものになったほうがいいから」の15.3%でした。

当然ながら、人間どこかには定住地が必要であり、その場所を自身で「保有」すること自体に一定の意義を見出していることが伺えます。

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だそうですが

現生人類であるホモ・サピエンスは40万年~25万年前に現れたとされていますが、日本国という概念が生まれ、近代的な生活をはじめたのは明治維新以降の100年程前、キリスト教以降でも2000年程度なので、25万年の歴史と比較すれば100年は0.04%、2000年は0.8%でしかなく、人類はその歴史の99%を洞窟で過ごし、自分の生活場所や縄張りを無くすことに恐怖を感じ、場所を自身で「保有」することに幸福感を感じる本能を持つ個体が子孫を残してきました

だから
・一番選択された理由は、「自分の住宅を「保有」することが夢だったから」の16.4%
・次いで「賃貸の家賃を払うなら、自分のものになったほうがいいから」の15.3%

は25万年前から洞窟で暮らしてきたヒトの本能に根差した衝動ですが、本能に従って起こる感情で行動すると、勘定に合わないプレミアムコストを払いがちです

私の場合は2002年に頭金3000万円と借入金3000万円使って一戸建てを注文で建てましたが、途中で転勤になって5年程他人に家賃16.5万円/月で貸してました
ネットに公開されている自宅がある最寄り駅付近の一戸建て不動産情報の駅歩、延床面積、土地面積、部屋数、築後年数、から重回帰分析して計算した自宅の不動産価値が3615万円
3000万円の借金は繰り上げ返済したのでトータルの利払いは729万円で、損得を計算すると(過去20年はデフレだったので現在価値計算は省きます)

(家屋評価額3615万円+家賃16.5万×12か月×22年)-(頭金3000万+借入金3000万円+利払い729万円)=1242万円と、なんとか黒字になりました

もし22年前に3000万円の現金を不動産購入に充てずにTOPIX連動インデックスファンド(20年で3.64倍)に全額突っ込んで、毎月16.5万円の家賃を払っていたら
(投資結果10920万円)-(家賃16.5万×12か月×22年)=6564万円

 


もし22年前に3000万円の現金を不動産購入に充てずにオルカンファンド(20年で7.25倍)に全額突っ込んで、毎月16.5万円の家賃を払っていたら
(投資結果21750万円)-(家賃16.5万×12か月×22年)=17394万円

 


もちろん22年前にオルカンファンドに投資できる環境なんてなかったし、2009年に日本の個別株を500万円買うことから投資を始めたくらいなので、TOPIX連動インデックスファンドだって22年前に買える知識も無かったんですが、「その場所を自身で「保有」すること自体に一定の意義を見出すこと」はかなりのコスト(機会損失)でした(;'∀')