原則1は、「アセットオーナーは、受益者等の最善の利益を勘案し、何のために運用を行うのかという運用目的を定め、適切な手続きに基づく意思決定の下、経済・金融環境等を踏まえつつ、運用目的に合った運用目標及び運用方針を定めるべきである。また、これらは状況変化に応じて適切に見直すべきである」

原則2は、「受益者等の最善の利益を追求する上では、アセットオーナーにおいて専門的知見に基づいて行動することが求められる。そこで、アセットオーナーは、原則1の運用目標・運用方針に照らして必要な人材確保などの体制整備を行い、その体制を適切に機能させるとともに、知見が不足する場合は、必要な外部知見の活用や外部委託を行うべきである」

原則3は、「アセットオーナーは、運用目標の実現のため、運用方針に基づき、運用方法の選択を適切に行うほか、投資先の分散をはじめとするリスク管理を適切に行うべきである。特に、運用を金融機関等に委託する場合は、利益相反を適切に管理しつつ最適な委託先を選定するとともに、定期的な委託先の見直しを行うべきである」

原則4は、「アセットオーナーは、ステークホルダーへ運用状況の情報提供(「見える化」)を行うべきである」

原則5は、「アセットオーナーは、受益者等のために運用目標の実現を図るにあたり、自ら又は委託先である運用会社の行動を通じてスチュワードシップ活動を実施するなど、投資先企業の持続的成長に資するよう必要な工夫をすべきである」

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 このように、「アセットオーナー・プリンシプル」は、立派なアセットオーナーである企業年金として当然、順守すべき原則にはなっているが、現実問題として企業年金の規模や事業主の意識などの違いによって、全ての企業年金が等しく原則を受け入れられるような体制になっていないという現実もある。そして、かつては従業員の5割程度をカバーしていた企業年金が今では30%程度のカバー率になり、公的年金を補完する役割として企業年金を拡充すべきという方針はあるものの、企業年金を導入するための条件があまり大きな負担になってしまっては企業年金離れを一段と推し進めかねないという懸念もある。企業年金・個人年金部会では、そのあたりのバランスを重視した対応が重要との意見が強かった。

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だそうですが

ついで仕事の企業年金担当者(立派なアセットオーナー)なんて、客から儲けるプロである金融機関にとっては、カモがネギ背負って来たようにしか見えないことでしょう

昔は私が勤めてる会社も企業年金(確定給付年金)でしたが、年率1%の安定利息をつけるために国債メインの運用に、会社の利益を削って利回り補填するという非効率極まりない運用で、38年間で1800万円を積み立てて2200万円になったら御の字といったものでした

途中から企業型DCに切り替わったので、選択制DC(マッチング拠出ではない)で、ボーナスから非課税拠出した金額と運用益で現時点で5000万円、退職時には7800万円になりそうです(ブレるので6000~9000万円くらいかな?)

「企業年金が今では30%程度のカバー率」だそうですが、そんな消えゆく組織は全て解散して、企業型DCに移行するのが、経営側の負担としても、従業員としても最適解だと思いますが、自らの地位と仕事と報酬を手放すなんて判断は、ご立派なアセットオーナーであらせられる企業年金としては当然しないんでしょうなぁ(;'∀')