金は国際的にはドル建てで取引されています。国内では円建てで取引されているため、為替は関係がないとお考えの方もいらっしゃるようですが、国内金価格は為替の動向も織り込んだ円建て価格で取引されますので、売買の際には注意が必要です。

金はじめとする貴金属は、基本的には「供給と需要」で価格が決定されます。貴金属が高い資産価値を有しているのはその希少性です。
世の中に存在が限られているわけですから。

たとえば金は、有史以来オリンピック公式プール約4杯分しか存在しません。さらになんと金よりも希少性が高いプラチナは金の30分の1しか存在しません・・・以前は金よりも高価でしたが、現在は金よりも安くなっています。

貴金属はその希少性が貴金属の価値を保証しているのです。

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だそうですが

金価格推移の長期グラフを眺めると

2000年頃から右肩上がりに上昇していますが

この価格上昇の背景には新興国の経済発展とBRICsに含まれるインド、中国の生活に根差した金装飾文化による実需の増加と無関係ではありません

 

2001年ゴールドマン・サックスによって「BRICs」と名付けられた
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2023年の中国のゴールドジュエリー消費量がインドを抜いて世界一となり、パンデミック後の需要回復に伴い、世界的な金消費の成長の主要なエンジンとなった

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金には装飾以外に電子部品の接点としての実需がありますし、プラチナにはディーゼルエンジンの触媒としての実需がありましたが、ディーゼルエンジンの排ガス偽装による脱ディーゼルでプラチナ価格は下落したと考えられます

 


だから「貴金属はその希少性が貴金属の価値を保証している」のではなく、トウモロコシ、原油、小麦などのコモディティと同様に、貴金属も実需と市場によって価格が決まっていると考えられます