個々に投資対象を絞り込んだファンドの見通しに確信が持てないということであれば、むしろ、日本株全体に投資する「TOPIX」や「日経225」に連動するインデックスファンドの方が良いということにもなろうし、日本だけでなく、広く外国の株式に投資する全世界株式インデックス「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動するインデックスファンドの方が良いという結論になるのかもしれない。投資先を海外にまで広げる場合、現在の「行き過ぎ」といわれている為替相場の円安をどのように対処するかも問われることになる。今後、「行き過ぎた円安」が是正され円高に戻ると考えた場合は、海外資産に投資していると「為替差損」が発生することになる。

 あるいは、運用会社の運用力に期待するアクティブファンドに期待するという投資の選択肢もある。過去3年の運用成績では、「日経平均高配当利回り株ファンド」(3年年率32.55%)、過去5年の運用成績では「情報エレクトロニクスファンド」(5年年率22.26%、10年年率17.37%)、過去10年では「DIAM 新興市場日本株ファンド」(10年年率17.37%)、「One 国内株オープン 『愛称:自由演技』」(同15.79%)などが浮かび上がってくる。特定の業種等に限定されず、広い投資対象の中から、優れた企業のみを厳選して投資するというアクティブファンドには、インデックスファンドにはない魅力がある。

 このように、国内株式に投資するファンドとして考えても様々な選択肢がある。パフォーマンスや下落リスクなど、個々のファンドの過去の運用成績を良く吟味して、自分自身の投資の目的に適ったファンドを選びたい。

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だそうですが

全世界のアクティブな運用者が「この価格ならお買い得、この価格なら売り時」と合意した値がインデックスなんだから、後から探せば平均以上の成績を残したファンドは半分弱見つかりますが、後から成績が良かったファンドを引っ張ってきて「魅力がある」と言い張るのは無理があります

「個々のファンドの過去の運用成績を良く吟味し」たところで、過去の運用成績と将来の運用成果には、何の相関もないため、今後の成績が優秀なファンドを選ぶ根拠にはなりえませんし、事前に平均以上の優秀な成績を残すファンドが選べない以上、優れた企業のみを厳選して投資するというアクティブファンドには、インデックスファンドを上回る魅力はありません

ちなみに「過去3年間を振り返ると目立って大きく値上がりしている」トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドですが、10年実績では全世界株式連動するインデックスファンドに負けてますし

そもそもトヨタグループに集中投資するファンドを買うくらいなら、トヨタ株を直接買えば、3,370 円/1株で100単元だから33万7千円から投資できますし、購入手数料(1.65%)や信託報酬(0.79%)を払わずに済むので合理的だと思います