調査結果から見える留意点
これらの調査結果からは、一目瞭然ではありますが、NISAの口座開設数、および買付額は増えていることが分かります。

こうした傾向を踏まえると、新NISAがスタートした2024年も、おそらく口座開設数と買付額は増えていくと考えられます。しかし、これらは際限なく増えるわけではなく、いずれどこかの水準で頭打ちになります。つまり、政府が掲げている目標(NISA口座開設数3400万件、投資額56兆円)に達するまで、どれくらいの期間を要するのかが一つのポイントです。

2023年12月の時点では、2024年中にアメリカとヨーロッパでは利下げが、日本では利上げが始まる可能性が指摘されています。このような金融環境の変化があるなかで、果たしてどこまでNISAの口座の開設数が伸びるのか注意を払う必要はあるでしょう。

また、証券会社における一般NISAとつみたてNISAでの投資未経験者の割合では、圧倒的につみたてNISAのほうが多く、新NISAのつみたて投資枠でも同様の傾向は続くと考えられます。

しかし、つみたてNISAの買付額を見た場合、2023年9月末時点では証券会社で8869億円(累計買付額:2兆8260億円)、取扱全金融機関で1兆2325億8037万円(累計買付額:4兆842億7184万円)と、世界の株式市場の規模と比べて必ずしも多いとはいえず、新NISAでの投資未経験者の新規参入でどこまで拡大するインパクトがあるのか注視したいところです。

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だそうですが

はて「つみたてNISAの買付額の累計買付額:4兆842億7184万円が世界の株式市場の規模と比べて必ずしも多いとはいえず」だからといって、どうだというのでしょう?

ちなみに世界の株式市場の規模(時価総額)を調べると「2024 年 1 月末の世界の株式時価総額は、111.2 兆ドル」で、4兆842億7184万円をドル円150円で換算すると272億2848万ドルで、111.2 兆ドルと比べると比率にして0.024%です

株式で「保有比率が多くないと困ること」といえば議決権行使ですが、関係ありませんし、0.024%であれば自らの購入・売却行動によって、市場が影響を受ける心配がないので、個人の資金ニーズに合わせて好きなように売買できて、むしろ好都合です

政府がかかげる目標の投資額56兆円に達したとしても、3733億3333万ドルで111.2 兆ドルと比べると比率にして0.336%にしかならず、日々の世界株式の価格変動はここ1年で4%(1σ)なので、NISA口座の投資が全額一度に売り払われたとしても、世界市場に与えるインパクトは日々の値動きの1/10以下です

「新NISAでの投資未経験者の新規参入でどこまで拡大するインパクトがあるのか注視したいところ」ではなく「新NISAでの投資未経験者の新規参入程度では世界株式市場にたいしたインパクトはない」ことの方が重要だと思いますが、、、

 


このところの日経平均最高値更新ニュースを見るに、日本の株式市場の時価総額は977兆円で、56兆円の半分の28兆円が日本株に流入したとしたら、3%程度にはなりそうです、、、上がってる個別の日本株は今のうちに売っといた方がいいのかな?(;'∀')