現状、「eMAXIS」シリーズにおける特定国のインデックスファンドは、日本と米国のみに限られているが、そこに新興国市場のインドを加えた理由について酒井氏は、「新NISAでの投資信託の活用意向を確認すると、コア(つみたて投資枠)とサテライト(成長投資枠)を組み合わせた投資戦略を検討する人が少なくなく、その場合はサテライトでより高いリターンを求める投資家からは新興国の特定国に対するニーズが想定される」とした。同社ではコア資産で「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などで圧倒的なシェアを獲得しているが、サテライトでも投資家ニーズに強く支持されるファンドを提供したい考え。

 そこで、主要な株式インデックスのリスク・リターンの関係(「S&P500」はリターン10.1%:リスク18.5%、「TOPIX」は5.7%:16.8%、「全世界株(除く日本)」は9.3%:18.9%など)から、よりリターンの高い特定国の株式インデックスを探すと、インド(15.8%:27.7%)、ブラジル(12.9%:37.6%)、韓国(12.6%:28.4%)などが浮上する(リスク・リターンの計測期間は2000年7月~2024年1月)。その中でパフォーマンスが際立っているのが「インド」だ。また、足元でインド株ファンドへの資金流入も続いている。酒井氏は、「2000年代の新興国ブームや2014年発足のモディ政権への期待などから、インド株投信への資金流入は何度かあったものの、継続的な流入には至らなかった。今回は、主に非対面で販売されるノーロードインデックスファンドを通じた資金流入も大きく、過去のブームと比較すると、より長期の資金流入が期待される」とした。
・・・
そして、今年4-5月に5年ぶりとなる総選挙が開催されるものの、モディ首相の与党インド人民党が勝利する見通しであり、モディ政権が3期目に入り、これまでの路線が継続されるだろうと、政治的な混乱リスクも低いと語り、インド経済の高成長とインド株式市場の堅調な状況が継続するだろうとの見通しを示した。

---
だそうですが

なぜ「パフォーマンスが際立っているインド市場」に投資したがるんでしょうか?「インド経済の高成長とインド株式市場の堅調な状況が継続するだろうとの見通し」が立っているのであれば、その見通しに応じた高い株価がついているので、パフォーマンスが際立っているとしても、その市場が現在の時価総額で占める比率(インドは2%)以上にサテライトで集中投資しても追加利益が得られる確率は(少なくとも手数料が高い分は)低くなります

高パフォーマンスを叩き出した市場に投資すれば追加利益が得られるという考えは、優秀な成績を叩き出したアクティブファンドに後追いで投資すればインデックスよりも儲かると考える頭がハッピーな人の考えと同じです

そもそも「コアとサテライトを組み合わせた投資戦略」が、インデックスファンドに勝てるアクティブファンドは3~4割で

 


しかも事前に優秀なアクティブファンドを選ぶ手段がない、という不都合な事実を隠せなくなった運用会社が、機関投資家向けにコアはインデックスでも、せめてサテライトで手数料を落として欲しくて無理やりねじ込んだ営業上の方便なので、機関投資家が付き合いで騙されてあげてるからといって、個人までその嘘に付き合う必要なありません