ノーリスクで高金利を享受できたバブル世代

それでは、資産運用はどうでしょうか?

鍵を握るのが「金利」です。平成生まれの方には信じられないかもしれませんが、平成の初めのバブル時代には、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが7~8%という超高金利時代がありました。

銀行の定期預金の金利は5%を超え、貯蓄性の高い一時払い養老保険なら満期時には払い込んだ保険料が倍になって戻ってきたものです。冒頭の女性のお母様が推す学資保険では返戻率(受け取った学資金の総額÷払い込み保険料の総額×100%)が150%を超えたケースもありました。しかし、バブル破たん後の日本では金利が低く抑えられ、返戻率は下がり続けて今や100%割れが当たり前という状況です。

年利5%のスーパー定期10年物で1000万円を複利運用したとすると、満期に受け取る利息は税引き後で実に約501万円に上ります。女性のお母様にはこうした成功体験が刷り込まれているからこそ、預貯金や保険商品への信頼度が高いのでしょう。

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「ほったらかし投資」は昭和や平成の発想

近年「ほったらかし投資」という言葉が流行っていましたが、言葉どおりには受け取らない方がいい気がします。基本的にほったらかしでOKなのはノーリスクの金融商品であり、そうした発想自体が預貯金や保険が資産運用の中心だった昭和や平成的です。

個人投資家を取材してきた経験からすると、大きく利益が出ている時には全部でなくてもある程度刈り取っておく方がいいと思いますし、投資がうまくいかない時には目をつぶるのではなく戦略の見直しをしたいところです。

先の専門家が指摘するのはまさにそこで、投資をする以上は覚悟を決めて取り組む必要があると言っているのです。

株式市場はここ10年ほど上昇トレンドが続いており、投資残高と成功体験を積み重ねてきた個人投資家の方が多いと推察します。しかし、本来は「上げるも下げるも相場」です。むしろリーマンショック後の長期の株価低迷期のような時こそ、投資家の真価が試されるのではないでしょうか。

令和6年の35歳の方々には、NISAブームに乗せられるのでなく、主体的にNISAを使いこなして長期の資産形成に役立てていただきたいと思います。

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だそうですが

平成の初めのバブル時代には10年物国債の利回りが7~8%という超高金利時代が一瞬ありましたが

それはピーク値でしかなく、そのタイミングで債券を買うことなんか、株式を底値を買うくらい難しいことですし、バブル期にはその高金利に見合うだけのインフレ(貨幣価値の下落)も起こっていたので、額面が増えたからといって価値をキープできたかは、デフレ下のゼロ金利と大差ありません

10年なんて短期ではなく1990年代に40年近くの長期契約で個人年金保険を契約できた人々は長らく保険会社を逆ザヤで苦しめましたが、そんな長期の固定利回りを販売していた保険会社がなんとか自社に不利な契約を転換させて逆ザヤ商品を解約させようと、利回りが激烈に低下するのを濁して客を騙すかのようなグレーな転換営業をしてたのも、今となっては懐かしい話です

それは兎も角「ほったらかし投資」が有効なのはノーリスクの金融商品だけではありませんし「大きく利益が出ている時には全部でなくてもある程度刈り取ったり、投資がうまくいかない時には目をつぶるのではなく戦略を見直して売却」するのは短期投資そのものです

投資の基本が「長期・分散・低コスト」であり「大きく・早く・非課税で」使うと効率的なので「専門家の指摘」が正しいのかは、投資の基本に照らし合わせて合ってるか/間違ってるかで判断できると思います

もし、利益を刈り取りたいと思ったら「投資収益が最も高かったのは投資したことを忘れていた口座と死者の口座」という言葉を思い出すと良いと思います