株式に加え、検討候補となる投資先とは

投資に取り組む個人投資家がしばしば保有している例として、個別銘柄株式や、株式の投資信託、特に株式のインデックスファンドが挙げられる。相対的に変動が大きい株式投資は時に大幅な値上がり益が見込め、国内外の市場の動きに連動することを目指すインデックス投資はコストの低さなどもあって人気を集めている。しかし、留意しておきたいのがリスク分散の視点。株式とは異なる値動きをする資産をポートフォリオに組み入れることで、様々な経済イベントが起きた際にもポートフォリオ全体での値下がりリスクを抑制できる可能性がある。

そこでしばしば検討されるのが債券投資だ。政府や企業などが発行する債券は株式とは異なる値動きをする傾向がある。例えば景気後退時には株式に比べ、債券の方が底堅いパフォーマンスを示しやすい傾向がある。
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POINT
債券と株式を合わせて保有することで、長期的にポートフォリオ全体のリターンの安定が期待できる

多様化する債券市場で、債券投資をはじめるには

また債券投資において留意すべき点は、パッシブ運用とアクティブ運用の成績の違いだ。パッシブ運用とはインデックス(指数)への連動を目指す運用手法で、アクティブ運用とは運用者の投資判断によってインデックスを上回るパフォーマンスを目指す運用手法のことである。債券投資における過去10年の実績では、アクティブ運用のパフォーマンスがパッシブ運用を上回る結果となっている。

この背景には債券投資ならではの構造的な要因がある。株式取引は一般に取引所を通じてすべての投資家が同じ価格で売買をするのに対し、債券では買い手と売り手が個別に取引する「相対取引」が基本で、投資家によって取引価格が異なる。交渉力を有する投資家はより魅力的な条件で債券を売買することが可能であり、このような債券取引の特徴がアクティブ運用の優位性を高めている。

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だそうですが

アクティブファンドがインデックスファンドに勝てる理由として、債券市場の相対取引を事例に出して「非効率的な市場だからプロの運用に過剰収益のチャンスがある」は面白い視点ですが、アクティブファンドの成績がインデックスファンドに勝ってるかのように見せる手法は他にもあります

●10年生き残ったアクティブファンド群の成績でしかインデックスファンドと比較してない

成績の悪かったファンドは繰り上げ償還などで消え去るので優秀な成績を10年保持できたファンドしか10年実績での比較に参加できませんが、今から買うファンドが10年生き残れるかどうかは判らないので、債券アクティブファンドを全て買ったとしても、この成績の様に債券インデックスに勝てるわけではありません

●優秀なアクティブファンドは社内運用で優秀な実績を叩き出してから、その成績を宣伝材料として販売される

運用会社は小型の集中投資ファンドを自社設定して、その中から優秀な成績のファンドが出たらその戦略と成績を宣伝材料として拡販するので、スタートダッシュ時の一般の人が買えない状態を含めた「設定来」の10年実績は大変優秀だったとしても、その成績は拡販後にその成績の継続性を期待して買った人々にとってはインデックス並み~未満の成績だったりします

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そもそも、債券の期待リターンは株式の期待リターンと比べて低すぎるし、海外債券の高金利は購買力平価説や金利平価説によって国内債券と同等に利回りしか期待できないことを考慮すれば、全世界株式インデックスファンドと普通預金と個人向け国債変動10年という3商品への「投資金額でリスクコントロール」すると合理的な運用が可能だと思います