不動産投資なども行い、38歳にして1億円を超える資産を持つ井上はじめさん(ハンドルネーム)。資産づくりの核となったのは、大学卒業以来、コツコツと続けてきたインデックス型投資信託の積み立てだ。2007年から始め、4000万円を超える資産を投信積み立てだけでつくった。

大卒後に勤務した会社の給与は手取りで22万円。決して多いとは言えない給与からの積み立てで、ここまでの資産をつくれたのには理由がある。積み立て一辺倒ではなく、景気サイクルを見て売却する手法を取り入れたことだ。
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景気サイクルを利用する
この景気サイクルに基づき考えたのが、資産が増えた場合に売却する手法だ。景気サイクルを伴いながら世界のGDPが増加するということは、上下動を繰り返しながら右肩上がりに成長するということ。一度、景気サイクルの波が高くなったところで売却しておけば、次の波に向かって積立額を増やすことができ、資産も増やしやすくなる。井上さんはこう考えた。とはいえ、どこが波の頂点か判断するのは難しい。そこで井上さんは売却のルールを定めた。

下に掲げた5点がそのルールだ。運用資産額がプラス20%を超えれば売却する。下落時でも積み立ては継続する。仮に相場が大きく下落した後は株価が跳ねることがあるため、プラス100%以上になるまで待って売却する。売却して得た資金は、毎月の積立額に上乗せしていく。20%という数字は、比較的達成しやすい水準と見て設定した。


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だそうですが

「不動産投資なども行い、38歳にして1億円を超える資産」「投信分のみで4200万円。総資産は1億円超」という情報から推定するに、6000万円ほどの投資用不動産をもってそうですが、会社も人も[資産と負債のバランスシート]を見なければ、健全な経営状態かどうか判断できませんが、どうも不動産投資家の方々は「資産」は自慢げにひけらかしますが「負債」をいくら抱えているのかは言わない傾向です

ちなみに、NRIは「世帯として保有する金融資産の合計額から不動産購入に伴う借入などの負債を差し引いた「純金融資産保有額」を基に、総世帯を5つの階層に分類」「純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、および同5億円以上の「超富裕層」」と定義しているので、借入金で不動産投資にレバレッジをかける「金持ち父さん」にならって「他人の金で儲ける」ことを信条としている不動産投資家は富裕層の定義から外れがちです


https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2023/cc/0301_1

「大卒後に勤務した会社の給与は手取りで22万円。決して多いとは言えない給与」って、Google先生に聞いたら、新卒の手取りは18万円なので、手取り22万円は「おそらく多いと言える給与」です

それはともかく、合理性を欠く運用ルールとして「市場と全く関係ない自分の買値に拘って売り買いを判断すする(アンカリング)」「やれやれ売り(損してた株が買値に戻ったら売る)」などは、行動経済学のプロスペクトカーブで人間がもつ「認知の歪み」として説明されますが、運用ルール2「プラス20%で売却」運用ルール5「マイナスを経験したら買値で売却」は正に「それ」だと思います

もし、2007年から毎月10万円を「独自の運用ルール」に従わず、自分が勤める日本企業と同じカテゴリーで世界時価総額で6%しか占めない日本株や、ゼロ金利でハイリスク&ノーリターンな国内債券や、金利平価説や購買力平価説で国内債券と同じリターンしか期待できない海外債券を買わず、2007年当時に買えた外国株式インデックスファンド(MSCI-KOKUSAI連動で信託報酬:0.17%)に「積み立て一辺倒で」続けていたらどうなったか計算してみたら

積立額2000万円に対して、運用結果は6800万円になってたので、債券ポートフォリオと「景気サイクルを見て売却する手法」で2600万円ほど機会損失してます(;'∀')