父が娘に語る経済の話

2015年ギリシャが経済危機を迎えた際に財務大臣を務め、大幅な債務帳消しを主張したヤニス・バルファキスが書いた本です


「数百万ドルがすでに手元にあれば、更に100万ドルを稼ぐのは比較的簡単だ。しかし何も持たない人にとって、100万ドルなんて手の届かない夢だろう。」


序盤に出てくる格差の説明ですが、違和感があります。


100万ドル=1億円ですが、数億円あったからといって、1億円更に稼ぐのは簡単ではありません。

期間指定がありませんし、数億という表現が曖昧ですが、仮に5億としたら営業利益5%(もしくは投資利回り5%)として20年かかります


1億円が手の届かない夢というのも違和感があります。例えば日本でサラリーマンとして夫婦共働きで60まで勤め、片方の生涯賃金だけで生活すれば、もう片方の賃金(600×38=22800)は丸々資産として貯蓄できるので、容易に手が届きます(片働きでも50%を貯蓄に回せば11400万円の資産が作れます)


前近代と違って格差は固定されたものではなく、100万ドルは誰にでも手が届くものであるからこそ、そこに手が届かないのは本人の責任というのが現代だと思います