本澤二郎の「日本の風景」(5265)

<満蒙開拓団と少年たちの真実「蒼い記憶」>

利権あさりの自民党議員は「満蒙開拓団」と聞いても、反応するかどうか。A級戦犯勢力の岸信介も明かさなかっただろうから、ほとんどの近現代史を教えられなかった日本人は知らない。ただし、長野県民は知っている。

パソコンのYouTubeに「蒼い記憶」というアニメ映画が登場し、初めて見た。おおよその見当はついていたが、それでも当事者の証言をもとに描かれた開拓団と少年たちの「ソ連軍襲来後の逃避行」は、この世の地獄を伝えている。

赤紙一枚で未来のある若者を死の戦場に狩り出したヒロヒト、中国人から奪った広大な大地に、ありえない夢を抱かせて、貧しい農民と少年らを巻き込んだ満蒙開拓団の、あまりにも悲劇すぎる悲劇に誰もが涙する。

 

宏池会の小川平二(元自治相・文部相など)は、東京帝大を卒業する時点で、満鉄に入ろうとした。父親の平吉は「他人の家に土足で上がって利権あさり!お前何を考えているのか」と雷が落として断念したが、時の戦争内閣は詐欺的宣伝で長野県の無知な農民どころか農家の少年たちにも手を突っ込んで、ソ連の国境近くに送り込んだ。

 

<神道と侵略戦争は一体=今の自衛隊・防衛省も>

戦後、朝日の本多勝一や時事の長沼節夫は「天皇の軍隊」を書いてヒロヒトに反撃したが、彼らは共に信州出身者だった。飛び出す前の少年たちの語らいの場所は、決まって神社だった。国家神道が日本人の侵略性を育てる原動力を、この「蒼い記憶」は鋭く暴いていた。日本の侵略戦争とカルト神道は一体だった。それでも今の神社本庁は謝罪せず、自民党の無知な議員を操っている。

いうまでもなく、岸や小泉・安倍も神社信仰に徹していた。小泉の倅も。現在の自衛隊もまた靖国神社に取りつかれている。どこの国でもカルト教団と戦争は、常に一体関係にある。神道や統一教会のみならず、いまの創価学会もしかりである。

 

<実際はもっともっと深刻=北京で聞いたハルビンの真実>

筆者は「アメリカの大警告」の兄弟本である「中国の大警告」(ともにデータハウス)を出版した。前者は読売新聞の改憲論とワシントンの関係を暴いたものだ。戦後のアメリカ通の第一人者の宮澤喜一が絶賛する手紙をくれた。アメリカン・リベラルは、日本の軍拡改憲に警戒心を抱いている。後者は中国人の日本評価をまとめたもので、特に小渕恵三に読んでもらった。

 

「中国の大警告」に感動してくれた中国人は、胡錦濤と中国外交部の長老の肖向前、そしてもう一人が玄愛華。肖さんは、日本語の本を北京から日本に向かう機内で読破して感動した。胡・玄さんは中国語の翻訳本であるが、前者は人民大会堂において首相になる前の小渕・中山太郎に対して「中国人の心はこの本にすべて書かれている。読んでほしい」と要請したほど。

玄愛華さんは、朝鮮戦争で彭徳懐率いる中国人民解放軍に衛生兵兼通訳として勤務。そこでハルビンの元日本軍軍医と看護兵と一緒に働いた。そこで不思議な様子が目に留まった。毎晩日本人看護兵が泣いているではないか。

 

女同士、すぐに理解して一緒に泣いた。当時、玄さんも長男と生まれたばかりの長女がそばにいた。母親が二人の幼児の面倒を見ていた。「日本人看護兵二人ともハルビンで幼児を殺した。殺してここにいる」というのである。「泣き叫ぶ幼児を殺せという上官の指示に従った。従うしかなかった」といっておいおいと泣き続けた。

 

その時「もっとむごいこともあった」と。「三歳児以下の幼児をたくさん貨物車に押し込んで、そこにガソリンをまいて焼き殺した」と恐ろしい事実を明かした。言葉にもならない恐ろしい惨状に玄愛華さんも震え上がったという。満鉄の歴史はすさまじい。ハルビンには神社もあった。しかし、ソ連軍の物取り、強姦は数知れなかった。ヒロヒトの耳には届かなかったろう。

 

パソコンでもスマホでも見られる。せめて「蒼い記憶」を見て満蒙開拓団の逃避行の真実を知ってほしい。三菱や三井住友などの死の商人たちは、43兆円に浮かれる時か。

戦争ほど悲惨なことはない。

2024年8月25日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)

 

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